立花理香が初のワンマンライブで示した“自己プロデュース能力”の高さ

立花理香の“自己プロデュース力”の高さ

 そして、アンコールが始まる直前に映し出された映像では、「みなさん、おわかりいただけだだろうか」と呪いのビデオ風のナレーションで、我々に衝撃の事実が伝えられた。彼女の作詞曲である「TUNE UP」は、インタビューで話していたように「ファンへの感謝」というテーマがありつつ、裏テーマは〈TUNE UP(ツナ)〉、つまりマグロをはじめとした“寿司”であったことが、ここで明かされたのだ。その後、立花は法被姿で登場し、再度「TUNE UP」を歌唱。合わせて流れた映像で、歌詞の中に〈アガリ〉〈ムラサキ〉〈ツメ〉など、寿司屋にちなんだワードが散りばめられていることが発覚した。その後、アンコール2曲目には、2度目となる「Shining Memory」を歌い、この日のライブは終了した。

 あとあと話を聞いてみると、前回の『Flora』リリース時に期間限定でパーソナリティーを務めたラジオ番組『A&G ARTIST ZONE THE CATCH: 【立花理香のTHE CATCH】』(文化放送 超A&G+)で、「歌詞を書きたい」「その時のタイトルは『マグロ』かな」といった発言があり、そこにファンへの感謝と番組への経緯を盛り込み、「繋がりキャッチャー」(繋がり=ツナとガリ、キャッチャー=番組名から)という仮タイトルの曲が完成、最終的に「TUNE UP」になったという。筆者もインタビューでは歌詞について深掘りさせてもらったが、この真相にはたどり着けずにいた。初の作詞でここまでの仕掛けを作り上げた立花理香の才能に驚くとともに、この日のライブを通して『LIFE』は各楽曲に表と裏のテーマがあり、そこを考察しながら聴くことも楽しさの一つであることが理解できた。

 と同時に、2度の取材とバースデーイベント、そしてこの日のライブを通して、立花理香は自己プロデュース能力がすこぶる高いアーティストであることを、ほんの少しだけ理解できた気がする。そして、作詞という領域にも手を出したことでその魅力が増した『LIFE』の熱も冷めやらぬまま、早くも2019年2月16日にZepp ダイバーシティ東京で、2ndワンマンライブの開催が発表された。数段飛ばしでジャンプアップしていく彼女がアーティストとしてますます面白くなっていくのを、これからも見逃さずにいたいと思う。

(取材・文=中村拓海/撮影=中原幸)

■セットリスト
1.Brand New
2.marguerite
3.Flaming Rose
4.KOTO-DAMA
5.赤いアネモネ
6.flowery night
7.gradation
8.Shining Memory
9.REALISTIC
10.TUNE UP
11.MY SWEET UNIVERSE
12.Say Goodbye
En1.TUNE UP
En2.Shining Memory

立花理香『LIFE』

■リリース情報
2ndミニアルバム『LIFE』 
発売:2018年8月29日(水)
価格:CD+DVD ¥3,000+税 

<収録内容>
【CD】
01. Brand New
02. Shining Memory
03. TUNE UP
04. MY SWEET UNIVERSE
05. KOTO-DAMA
06. flowery night

【DVD】
Shining Memory Music Video
Shining Memory Music Video メイキング映像

■ワンマンライブ情報
日時:2019年2月16日(土) 【昼の部】13:00開場/14:00開演 【夜の部】17:30開場/18:30開演
場所:ZeppDiverCity
料金:5,800円(税込・ドリンク代別)
チケット販売:2018年9月17日(月) 11:00までファンクラブ会員限定チケット抽選予約受付中

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