ハロプロ20周年の勢いが止まらないーー夏の『ハロコン』に見る、少女たちが受け継いできた歴史

 それらOGの出演がハロプロ20周年を印象付けた一方で、現在進行形の話題も多かった。夏ハロコン開催に先駆けて、一岡伶奈がリーダーを務める新グループと高瀬くるみ・清野桃々姫の在籍する新セクションのグループには、研修生から第一次メンバーの加入が発表。そのハロプロ新ユニット二組のメンバーは合同で、DA PUMP「U.S.A.」をカバーしていたが、8月5日には本家DA PUMPが登場するというサプライズがあった。「U.S.A.」は公開当初から「往年のハロプロ楽曲を彷彿とさせる」と話題沸騰となり大ヒット。DA PUMPとハロプロの共演は、7月25日に放送された『2018 FNSうたの夏まつり』でのモーニング娘。’18とのコラボレーションに続く2回目となったが、初の現場降臨に会場は大盛り上がりだった。

 ハロプロでは、年初からアニバーサリーイヤーを祝う特別な企画が続いている。しかし、数々の名シーンが生まれた夏ハロコンの後も攻勢は止まらない。9月26日には、現役メンバーが一堂に会したハロプロ・オールスターズ名義の誕生20周年記念シングル『YEAH YEAH YEAH / 憧れのStress-free / 花、闌の時』がリリース予定。ハロプロのグループが全員参加するシングルが発表されるのは、2011年のハロー!プロジェクト モベキマス「ブスにならない哲学」以来、約7年振りだ。「YEAH YEAH YEAH」はつんく♂作詞作曲の美しいミドルバラードで、今夏ハロコンでもセットリストに加わっていた。また、同作にアディショナルトラックとして収録される「ハロー!ヒストリー」は前山田健一が作詞作曲。20年の歴史を踏まえたハロプロの現在地を示す作品となりそうだ。

 また、10月21日には、ハロー!プロジェクト全メンバーを2チームに分け、チーム対抗歌合戦を行うシングル発売記念イベント『ハロプロ・オールスターズ シングル発売記念イベント ~チーム対抗歌合戦~』も開催。その前日・当日にはハロプロ初の大々的な秋フェス『Hello! Project 20th Anniversary!! Hello! Project ハロ!フェス 2018』を計3公演予定するなど、新たな試みが続く。

 和田彩花(アンジュルム)や飯窪春菜(モーニング娘。’18)の卒業が発表される一方で、稲場愛香(元カントリー・ガールズ)のJuice=Juice加入、新グループのメンバーオーディション開催など、現在進行形で卒業と加入が続き、絶えず形を変えているハロー!プロジェクト。ただ、彼女達は20年を通して多くの少女が受け継いできたバトンを今なお繋いでいる。ハロプロが長い歴史を経てきたからこその「今、この瞬間」の魅力を、少しでも多くの人に感じてほしい。

■青山晃大
1983年生まれ、三重県津市出身。フリーランスの音楽ライター。「ザ・サイン・マガジン・ドットコム」「Qetic」「CROSSBEAT」他で執筆しています。

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