E-girls、11人体制の初アリーナ『E.G. 11』で見せた進化 MIGHTY CROWNらと次のステージへ

E-girls11人体制ライブでの“進化”

 ライブ中盤、YURINO、須田アンナ、武部柚那によるヒップホップユニット・スダンナユズユリーによる「CALL ME NOW」「Party on the pizza」で、さらに弾けるテンションになった後は、その雰囲気をガラリと変えて鷲尾伶菜が「ひとひら」のピアノ弾き語りを披露。さらにメンバーとともに「好きですか?」「あいしてると言ってよかった」と、メランコリックなバラードナンバーを続けて歌い、会場をロマンチックな空気に染めていく。ヒップホップからバラードまで、幅広くバリエーションに富んだ表現ができるようになったのも、11人体制による進化のひとつである。

 「Pain, pain」や「Y.M.C.A.」などの持ち曲が披露された後半を終えて、アンコールで初めてパフォーマンスが行われた「Let's Feel High feat. MIGHTY CROWN & PKCZ®」も、特筆すべき一曲である。同曲は、今年7月にジャマイカで開催された『WORLD CLASH』20周年記念大会にて、レゲエ世界チャンピオンに選ばれたMIGHTY CROWNがサウンドプロデュースを担当しており、客演アーティストとしてPKCZ®が参加。また、同時にリリースされた「My Way feat. FIRE BALL, MIGHTY CROWN & PKCZ®」では、客演にFIRE BALLも参加している。MIGHTY CROWNとFIRE BALLは、ともにジャパニーズレゲエシーンを代表するアーティストで、そのスタイルや音楽性は世界的にも高く評価されている。またVERBAL、DJ MAKIDAI、DJ DARUMAによるクリエイティブユニットのPKCZ®は、アメリカの大物ラッパーであるスヌープ・ドッグやメソッド・マンとフィーチャリングを果たすなど、世界展開を視野に入れた活動を行なっている。

 E-girlsが今回、彼らとともに新しい楽曲を形にしたことは、今後の展開を占う上でも重要なポイントとなるはずだ。実際、「Let’s Feel High」では本格的なダンスホールレゲエのサウンドに乗せて、〈世界を羽ばたく私になるのよ〉など、挑戦的な歌詞が歌われている。ラガマフィンを取り入れたボーカリゼーションや、妖艶なダンスを身につけることで、E-girlsが音楽的にも次なるステージに進もうとしているのは明らかだろう。

 ラストの楽曲となった「北風と太陽」は、葛藤を乗り越えて人生の困難に打ち勝ち、強い意思を持って前に進んでいこうと鼓舞する楽曲だ。メンバー自身が話し合い、今の自分たちをもっとも的確に表現している楽曲として、最後に歌うことを決めたのだという。2011年にDream、Happiness、Flowerを中心としたプロジェクトとして発足したE-girlsが、その輝かしい活動の中で培ってきたブランドを、現体制の11人はさらに発展させていかなければならない。その道のりは決して楽なものではないはずだ。しかし、新生E-girlsとして何をすべきか、その答えはすでに見出すことができたのではないだろうか。メンバー一人ひとりの信念が滲み出たパフォーマンスと、その柔軟なクリエイティビティ、そしてさらなる進化を予感させるステージングに、未来のE-girlsを見た気がする。

(文=松田広宣)

■セットリスト
1.Love ☆ Queen
2.DANCE WITH ME NOW!
 E.G. summer RIDER
 STRAWBERRY サディスティック
3.Go!Go!Let's Go!
 ごめんなさいのKissing You
 Follow Me
4.LOVE~Highschool(ハート)love
5.Keep On
6.What I Want Is
7.DYNAMITE GIRL
8.Saturday Night~ロックな夜に魔法をかけて~
9.HARAJUKU TIME BOMB
10.CALL ME NOW/スダンナユズユリー
11.Party on the pizza/スダンナユズユリー
12.ひとひら
13.好きですか?
14.あいしてると言ってよかった
15.Pain, pain
16.Y.M.C.A.
17.VICTORY
18.Anniversary!!
19.自由の女神~ユーヴライア~
20.ヒマワリ
21.Making Life!
22.Smile For Me

-アンコール-
23.Show Time
24.Let's Feel High feat. MIGHTY CROWN & PKCZ(R)
25.Run with You
26.北風と太陽

E-girlsオフィシャルサイト

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