V系バンド BCD=ベル、Chanty、Develop One's Faculties、サウンドの共通点に注目

 こうして聴いてみると、3バンドはいわゆるギターロック的な楽曲の傾向に親和性の高さが感じられる。結成年の近さ、メンバー間の仲の良さなどに加え、サウンドに近しいものがあったからこそ、『二進化十進法』ツアーが実現したといっても過言ではない。

 同ツアーは回を追うごとに段々とリピーターが増え、さらには、目当てのバンド以外のステージも全力で楽しむオーディエンスの姿が多数見られた。結果、このツアーは全編通して“BCD”というひとつのバンドのワンマンライブであるかのようなステージとなった。誰に仕向けられたわけでもなく、純粋にお互いのバンドを尊敬し合った結果生まれたツアーであったといえる。

 彼らは普段からイベントでの共演も多いため、ひとつのイベントライブで3バンドを堪能することも、そう難しくはない。『二進化十進法』ツアーの公式Twitterアカウントがツアー終了後も更新されていることから、今後の“BCD”によるツアー再演にも期待せずにはいられない。ヴィジュアル系ファンだけでなく、ロック好きなリスナーもぜひサウンドに注目してじっくりと楽曲を聴いてみてほしい。

■白乃神奈
フリーライター。ヴィジュアル系など、音楽ジャンルに囚われない音楽が好き。趣味はライブ、ダンス、キャラクターグッズ集め。座右の銘は「鶏口となるも牛後となるなかれ」。
Twitterアカウントは@flugzeug255

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