SCREEN modeが手に入れた“等身大の音楽性” 『Funky Star』ツアーを振り返る

スクモが手に入れた“等身大の音楽性”

 ここからアコースティックコーナー。まずは今回のツアー恒例の“ご当地カバー”を1曲。東京出身アーティスト代表として勇-YOU-が選んだのはMr.Children「Everything(It’s You)」で、あの複雑に入り組んだメロディを、カホン、フレットレスベース、ピアノ、アコースティックギターをバックに完璧に歌いこなすが、めちゃくちゃ巧い。逆に「Happiness!」では観客にリードを任せ、コール&レスポンスで会場全体が一つになった。ステージの上下に区別はない、ライブは参加することに意義がある。みなぎる盛り上げスピリットにかけては、SCREEN modeのライブはどんなアーティストにも負けてはいない。

「声出せる? 後半戦、一緒に盛り上がっていこう!」

 ここからはとことんアッパーでダンサブル、ハッピータイムの始まりだ。揃いの振付で大騒ぎの「WHY NOT!」、サビでジャンプしまくる「Naked Dive」、“Hey! Hey!”と観客の合いの手が最高に楽しいスカパンク「Jumpin’ Now!!」。「みんなのつらい時に背中を押せるように」と前置きして歌った「アンビバレンス」は、じっくり聴かせるスローな前半からアップチューンへと一気に加速し、ハイテンションのまま「DISTANT GOAL」へバトンを渡す流れがばっちり決まった。勇-YOU-が「もっとだ!」と歌いながら煽っている。雅友が勇-YOU-に寄り添ってポーズを決める。ロックバンド・SCREEN modeのパワーはハイレベルだ。

「もっともっと一つになれますか。一つになろうぜ!」

 一つになる、すなわち「One」。明るく弾むエイトビートに乗り、雅友がステージ下手まで歩み出てギターを弾きまくる。いよいよクライマックス、ラストチューンは初期からの代表曲「STAR PARK」だ。四つ打ちのビート、回るミラーボール、そして全員一致のハイジャンプ。およそ2時間近く休む間もない全身運動の果て、フロアに漂うのはエクササイズを終えたあとのような爽快感だ。

 アンコール。とっておきの「Reason Living」でさらなる全身運動を要求する、今日のSCREEN modeはとことん貪欲だ。さらにビッグニュース、勇-YOU-が声優として参加するアニメ『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』オープニング主題歌に決まった、8月29日リリースの新曲「GIFTED」のうれしい初披露。初めて聴く曲は、疾走するエイトビート、分厚いハードロックギターの壁、サビで一気に明るく突き抜けるメロディを持つ、SCREEN modeらしい攻撃的ロックチューンだった。8月からの放送開始が楽しみだ。

 ここまで来たらあとはゴールテープを目指して走り抜けるだけ。「極限Dreamer」で一気にぶち上がり、「IMPACT」でジャンプしまくり、誰一人悔いを残さず歌いまくる。SCREEN modeのライブは最後の瞬間まで笑顔しかない。「また会いに来てくれるか!」と勇-YOU-が叫ぶ。次のライブはいよいよデビュー5周年記念、12月2日の『SCREEN mode 5tn Anniversary LIVE』、場所はSHINJUKU FACE。5年かけて等身大の音楽性を手に入れたSCREEN modeが、未来へ向けてどんな景色を見せてくれるのか。期待は高まり続ける。

(文=宮本英夫)

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