Red Velvet、魅惑の世界へ誘う“ひとときの夢” ポップ&セクシーを体現した横浜パシフィコ公演

Red Velvet、横浜パシフィコ公演レポ

 最後は会場一体となって盛り上がれるアンセムを連発。今回のツアーで初披露され、最大の目玉となった7月4日発売の「#Cookie Jar」では手でハッシュタグを表現する振り付けや日本語詞のボーカルで盛り上げ、イントロで湧き上がるような大歓声が生まれた「Russian Roulette」では中盤から四つ打ちが鳴り響いて会場が一気にダンスフロアに変貌。ビッグルームハウス風のEDMバンガー「You Better Know」やエレクトロ~ヒップホップをポップに昇華した「Red Flavor」「Peek-A-Boo」などでは観客の大合唱が発生した。最後は長い夢から覚めるような演出を経て、メンバーが観客に今回のツアーへの感謝を伝え、歌詞にファンへの感謝を込めた日本語詞の「'Cause it's you」でライブを終えた。

 公演タイトルの「Red Room」とは、この公演がRed Velvetの今をひとつのライブに詰め込んだ、グループの自己紹介的な役割を果たすものであることの証なのだろう。実際、「ダンス」「歌唱」「ステージ演出」「映像」といった様々な要素で観客を唯一無の世界に引き込む高いエンターテインメント性は、それぞれがソロでも活躍できそうな技術やパフォーマンスを持つこの5人ならではのものだった。また、そうして作り上げた夢のような空間が、同時にメンバーの“ひとときの夢”でもあるというライブ全体の構成も、ときに魔法のような瞬間を生み出すポップミュージックそのものの魅力を伝えるかのようだった。

■杉山 仁
乙女座B型。07年より音楽ライターとして活動を始め、『Hard To Explain』~『CROSSBEAT』編集部を経て、現在はフリーランスのライター/編集者として活動中。2015年より、音楽サイト『CARELESS CRITIC』もはじめました。こちらもチェックしてもらえると嬉しいです。

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