Little Glee Monster、日々の研鑽で掴んだ憧れのステージ ブルーノート東京で魅せた特別な一夜

リトグリ『MTV Unplugged』レポ

新曲「世界はあなたに笑いかけている」も披露

 終盤は、かれんの合図で「a cappella Funk Medley」がスタート。Earth, Wind & Fireの「宇宙のファンタジー」をはじめ、星野源の「恋」や、マイケル・ジャクソン、ブルーノ・マーズなど、お馴染みの曲から名曲までが入り乱れ、ハーモニーで一本勝負といった雰囲気。そもそも名曲のアカペラカバーは彼女たちの十八番で、デビュー前には数多くの名曲をカバーした動画をネットにあげていた。そんなデビュー前を彷彿とさせつつも、絶妙な構成とコーラスワークからは、この5年弱で培ってきた成長と進化を感じさせた。

 8月1日にリリースする新曲「世界はあなたに笑いかけている」が、いち早く披露されたことも、ファンには嬉しかっただろう。かれんとMAYUが向かい合って歌う様子や、芹奈が軽やかにターンしながら笑顔を振りまく場面もあったりと、実に楽しい雰囲気の楽曲。かと思えば、manakaが手を挙げて力強く歌声を響かせ、アサヒが胸に手を当ててじっくり聴かせたりと、ハッピー感と楽しさだけではない、さまざまな感情が満載されていた。ラストでは、もはやLittle Glee Monsterの代名詞とも呼べる「Jupiter」を歌った。楽器のように狂いなく、ピタッと揃った音程と息づかい。5人の美しいハーモニーが会場に広がり、大きな歓声と感動が押し寄せる。しっかりと前を見据えた5人の眼差しは、何かを決意したような力強い光を灯していた。

 「全員の憧れのアーティストが出演したMTV Unplugged、そしてブルーノートという聖地に、まだ10代のうちに立てたことが幸せです」と話したmanaka。一般に親しみやすいJ-POPのフォーマットでハーモニーに磨きをかけてきたLittle Glee Monsterだが、ルーツの一端は懐かしい洋楽にある。育ってきた環境もあって幼いころから洋楽に慣れ親しみ、実際に洋楽のカバーも数多く手がけてきた。そんなルーツを感じて、昨年はEarth, Wind & Fireの日本公演にゲスト出演、アリアナ・グランデの日本公演にオープニングアクトとして出演した経験も持つ。

 そうしたことからも、この日の歴史的ライブは、彼女たちが幼いころから積み重ねてきた研鑽があればこそ、自ら引き寄せたものだったと言えるだろう。さらに芹奈とかれんが6月で20歳になり、女性としての魅力も少しずつ身につけ始めた彼女たちにとって、この会場は「もっとこの場に似合う雰囲気を持った、大人の女性になりたい」と憧れを強くしたはずだ。日々成長を続け、年齢を重ねていく彼女たちにとって、大事な布石となる一夜になったに違いない。

(文=榑林史章)

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