島爺、勝負曲尽くしで“バンド”の力量発揮したツアー最終公演 敬老の日スペシャルライブ開催も

島爺、勝負曲尽くしで挑んだツアー最終公演

 ナナホシの「みんな、オレンジ持ってきてくれたしね、まだ振りたいですか?」という言葉とともに、もう一人のスペシャルゲスト、人気声優で、8月1日にシンガーとしてソロデビューを果たす尾崎由香が登場。「尾崎由香こと、ゆか爺です!」と挨拶し、『少年アシベ』のオープニングテーマ「LET'S GO JUMP☆」を歌い、横でジャンプする島爺は「歌うよりしんどい」とヘトヘトになっていた。

 ナナホシ、アシベ&ゴマちゃん、尾崎がステージを去り、島爺は「ツアーが終わったら、また面倒くさい現実が待っております。言うことをちゃんと聞いていたら“おとなしすぎる”と言われ、ちょっとやる気を出せば“最近の若者は”と言われ、面倒くさいわな。そういうどうでもええ世界に無理に合わせる必要はございませんので、ひとりひとり、自分のルール、美意識に従って生きてください」とメッセージを送る。合わせて、「基本的に面倒臭い事嫌い」(KRY? )を披露し、本編最終曲は、歌って踊って騒げるキラーチューン「インターネットがなかったら」だ。観客は全力のコールで応え、まさに大団円を迎えた。

 鳴り止まないアンコールに応え、再びステージに登場した島爺は、ツアーの恒例となっている語りに入る。「生まれて、生きて、死ぬ。それ以外はオプションだ、という話を全国でしてきました」と島爺。「病気になると健康な状態ってめちゃくちゃ幸せだったと気づくし、大事な人がおらんくなったら、おっただけで幸せやったなと気づく。自分の内側に幸せな理由をいっぱい持っているのに、持っていないものを求めて、外側からなんぼ持ってきても、何も変わらない。向上心を持つことはすごくいいことやけど、それはオプションで、みんなもう幸せなんやと言うことに気づいてほしい」と、孫たちにメッセージを送った。

 最後は、すっかりライブの人気曲になった「なんで生きてんだろうってすげえ思うんだ」(ヘルニア)をマイクなしの弾き語りで披露した島爺。<死にたくなったら笑おうぜ>のフレーズが、先ほどのメッセージと呼応するように、胸にしみる。

 島爺のライブは、一曲一曲が、各クリエイターの“勝負曲”であり、表現の密度が異様に濃い。楽しさも、切なさも、悲しさや救いのなさも、強いメッセージとして伝わってくるが、それらすべてがあたたかいものとして胸に届くのは、島爺というアーティストの特性によるものだろう。“三途の川”で日頃の憂さを洗い流した果てに残ったのは、島爺が「みんなの内側にある」と語った幸福感だった。

 さて、そんなライブの最後に、9月17日の敬老の日に行われるスペシャルライブ『島爺 敬老の日スペシャル ~永敬爺82~』(日本教育会館一ツ橋ホール)が決定したという、いわば“幸福の追い打ち”があった。“持ち曲”も際限なく広がっているなかで、次のステージではどんな曲が披露され、どんなメッセージが届けられるのか。島爺の“言いつけ”に従い、本ツアーで披露された楽曲のオリジナル版をチェックしつつ、3カ月後を楽しみに待とう。

(取材・文=橋川良寛)

■イベント情報
『島爺 敬老の日スペシャル ~永敬爺82~』
9月17日(月・祝)日本教育会館一ツ橋ホール
開場16:00/開演17:00
前売指定¥4,800(税込) 
*4歳以上チケット必要
*祖父/祖母を連れて来られたら、特典をプレゼント。孫を連れてきたら、特典をプレゼント(同行者もチケットは必要。特典の引き換えは、必ず同行者と揃った状態で)

<OFFICIAL 先行>※抽選受付
受付期間:6月24日(日)22:00~7月2日(月)23:00
受付はこちら
※当落確認&入金期間:7月5日(木)15:00~7月8日(日)23:00
・申し込み時にローチケ会員登録(無料)が必要
・一人様1公演4枚までの申込制限あり
・当選するとチケット代金とは別に1枚108円の先行サービス料、1枚108円の発券手数料、1枚216円のシステム利用料発生。

チケット一般発売:8月2日(木)8:02~

■関連リンク
「島爺」オフィシャルサイト
「島爺」オフィシャルツイッター
「島爺」情報発信ツイッター「罠孫」
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