Roysが初ワンマンライブで見せた、卓越した歌唱力とソングライターとしての才能

Roys「I'll be there」レポ

 また、Roysのライブは聴かせるだけでなく、全身で楽しませてくれるものだと感じたのが、ライブ中盤。「気分予報100%」では会場のファンと一体になり振りを楽しむ3人がいた。ステージにはキーボード、ベース、ギター、ドラムのバンドメンバーを迎えたセット。ジャジーな「チョコレイト」、オリエンタルな雰囲気がフロアを包む「オーシャン」と続き、「Player」ではSayuriの力強いボーカル、ArinとRisaがシルクベールを用いたダンスで妖艶にステージを彩る。驚いたのは、Roysのアップテンポな楽曲には、ラップが多様されていることだ。中でも、哀愁を感じさせるラテンミュージック調の「Player」と、Sayuriのラップは相性抜群。ベリーダンサーの中村インディア指導によるダンスも、Roysならではのパフォーマンスの見せ方として、今後の進化が期待できる。

 ライブ後半では、「大切な人を思い出して、優しい気持ちになってほしい」とRisaが話したバラードの「君へ」、キーボードのみというボーカルが全面に押し出された「So good bye」が披露され、アップテンポの「Only」「Fly」、シングルにも収録されているセルフタイトル「ROYS」と続いていき、本編は終了。そしてアンコールでは、配信デビュー曲「Can't you say」、アップチューンの「シンデレラ」を歌い上げて、初のワンマンライブの幕を閉じた。MCや立ち振る舞いなど、まだ初々しい部分があったのは事実。けれど、3人だけでなく、バンドメンバーをも巻き込んだパワフルなパフォーマンスは、会場にいた多くの人を驚かせたのではないだろうか。何よりも、3人の卓越した歌唱力とソングライターとしての才能は言うまでもなく、今後ライブで披露していくであろう多くのオリジナル曲も含め、Roysが成長していく未来が楽しみだ。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■セットリスト
『Roys LIVE「I'll be there」』
5月15日(火)東京・TSUTAYA O-nest

1.Season
2.イマココ
3.Sign
4.I'll be there
5.気分予報100%
6.チョコレイト
7.オーシャン
8.Player
9.君へ
10.So good bye
11.Only
12.Fly
13.ROYS
-en-
14.Can't you say
15.シンデレラ

■関連リンク
Roys オフィシャルサイト

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