ハロー!プロジェクト、楽曲を歌い継いできた20年 『ひなフェス』パフォーマンス機に振り返る

 ハロプロの膨大な楽曲コレクションを受け継いでいく手法は、グループの新結成時にも大きなアドバンテージとなっている。ハロプロ研修生は所属グループの楽曲をパフォーマンスする公演を定期的に続けているが、この研修生内から生まれたJuice=Juice、こぶしファクトリー、つばきファクトリーは、いずれもオリジナルの持ち曲が少なかった時代に他グループの人気曲をカバーすることで自分達ならではの魅力を確立させてきた。Juice=Juiceの1stアルバム『First Squeeze!』、こぶしファクトリーの1stアルバム『辛夷其ノ壱』の初回限定盤Bには、初期パフォーマンスを支えたカバー曲集が付属していた。カバー曲の音源化は、現役グループの魅力とハロプロ過去楽曲の魅力を同時に伝えるために、とても有効に機能していると言える。

 20周年のアニバーサリーイヤーである今年、ハロー!プロジェクトが開催している各イベントでは、例年以上に過去の歴史が意識され、OGメンバーとのコラボレーションや珍しい楽曲のパフォーマンスが数多く披露されている。今現在活動するフレッシュなグループのパフォーマンスをきっかけに、ハロプロの歴史と伝統を掘り下げていけば、グループとハロプロ楽曲の魅力がより一層深みを増して伝わるようになるはずだ。

■青山晃大
1983年生まれ、三重県津市出身。フリーランスの音楽ライター。「ザ・サイン・マガジン・ドットコム」「Qetic」「CROSSBEAT」他で執筆しています。

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