Wanna One、JBJ、RAINZ…“プデュ勢”が注目集める理由は? 『PRODUCE 101』生んだ新潮流

ファンの夢が形になったJBJとRAINZ

 数多く生まれた『PRODUCE 101』出身グループの中でも、JBJ(ジェイビージェイ)とRAINZ(レインズ)はファンが作り上げたグループだ。

[MV] JBJ _ Fantasy

 JBJは事務所がバラバラなメンバー6人が集まったグループで、シーズン2に参加した唯一の日本人、高田健太が所属している。結成のきっかけは、『PRODUCE 101』を見ていたファンたちが、参加していた練習生の中から「こんなグループがあったらいいのに」と勝手に思い描いたことから始まっている。ファンの妄想で集められたメンバーたちで実際にJBJというグループが結成され、そしてデビューを果たしたのだ。

 彼らのグループ名は、“本当に望ましい形”といった意味を持つJust Be Joyfulの略で、デビュー時のキャッチコピーは“Come True(実現する)”だった。それはまさにファンが望んだ理想の形が目の前に現れた、夢のようなグループと言って間違いない。

레인즈(RAINZ) - Juliette Official M/V

 RAINZ もJBJ同様、ファンが「こんなグループがあったらいいのに」と望んで生まれたグループだ。グループ名の由来は、“雨(rain)”からきており、メンバーがたまたま会っていた時にSNSにアップしていた写真が「雨ばかりだったから」とファンたちが勝手に名付けた。集まった7人のメンバーたちは、それぞれが違う事務所に所属しているという点でも、JBJと同じだ。

 事務所がバラバラなメンバーが集まりグループが結成されたということも、そして「ファンの夢が形になった」というのも、この『PRODUCE 101』から生まれた新しい現象の一つかもしれない。

『PRODUCE 101』でつかんだ再起

[M/V] NU'EST W(뉴이스트 W) - WHERE YOU AT

 『PRODUCE 101』では、すでにデビューして数年経ったグループのメンバーが参加し、人気を得て再起したことでも話題になった。とくに、日本でも精力的に活躍していたNU'EST(ニューイスト)がその代表例だろう。現在はWanna Oneで活動するファン・ミンヒョンを除いたメンバー4人でNU'EST Wという名前で活動をしている。

 NU'ESTは韓国で2012年にデビューをし、日本では2014年にデビューをした5人組のボーイズグループだ。デビューから数年経っているが、残念ながら人気は振るわなかった。その中で、一度NU'ESTとしての活動を休止し、メンバー4人が練習生になり『PRODUCE 101』に参加することになったのだ。現役アイドルグループながら参加することは、彼らにとってどんな気持ちだったのかは計り知れないが、番組に参加したメンバー全員がファイナリストに残るという大活躍をする。彼らの目的は全員で最終11人に残ることだったが、結果はミンヒョンだけが選ばれ、Wanna Oneとして活動することになった。

 しかし、番組に出演したことでNU'ESTという名前は韓国で一気に広まり、彼らが過去に出した音源がチャートを駆け上がるという現象まで起きた。練習生に戻り番組に参加したことが、彼らを再起に導いたのだ。

“2匹目のどじょう”は生まれるのか?

 最近では『The Unit(ザ・ユニット)』と『MIX NINE(ミックス・ナイン)』いう2本のサバイバルオーディション番組が制作された。どちらの番組も「まだ成功をしていない」と思われるアイドルグループや、練習生たちを集め、サバイバルを繰り広げ、最終的に残ったメンバーで、期間限定ユニットを組むという流れになっていた。特に『The Unit』の方は「アイドル再起プロジェクト」と銘打っており、おそらく『PRODUCE 101』におけるNU'ESTの成功例からヒントを得たものと思われる。

 他にも、『PRODUCE 101』の成功を見て、中国でも公式ではないが全くそっくりな番組が作られ、話題になっている。また本家の方は、今年から新しいシーズンとして『PRODUCE 48』が開始されることになっている。その名の通り、日本のAKB48とタッグを組んだ番組になるようだが、詳細は現時点では明かされていない。

 果たして、今後のK-POP界には『PRODUCE 101』の“2匹目のどじょう”が生まれるのか……、またはそれを超えたブームが新たに生まれるのかが気になるところだ。

■西門香央里
東京在住のフォトライター。K-POP、韓国トレンド、旅行、グルメ、カルチャーなどを中心にWebメディアなどで活動中。年3~4回の渡韓でエネルギーを蓄えている。いつまでも年齢不詳でありたい通年おかっぱの人。座右の銘は「努力は裏切らない」。
寄稿媒体:いまトピ、エキサイト、TABIZINE、SHELBEE...等
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