米津玄師、ドラマ『アンナチュラル』主題歌「Lemon」なぜ大反響?  配信4週連続1位&MV最速1000万回再生の理由を読む

米津玄師「Lemon」はなぜ大反響?

 そんな名ドラマ・名曲のマッチングと同じくらい、『アンナチュラル』の重要なシーンと米津の「Lemon」は深い部分で結びついている。最新の第9話では、ドラマ中盤の回想シーンに使用され、〈夢ならばどれほどよかったでしょう〉という冒頭の歌詞が、心に深く突き刺さる名シーンを演出した。これに関しては、脚本家の野木も「歌詞の冒頭、〈夢ならばどれほどよかったでしょう〉をどのタイミングでかけるか、ということを製作陣は毎回考えている」とコメントしていた。

 また、米津もラジオ特番『米津玄師×野木亜紀子アンナチュラル対談』(TBSラジオ)で「ポップな側面が自分の中に少なかったというか、このままだと暗くなってしまう」とサビの最後を録り直したこと、「自分の曲であると同時にドラマの曲でもある」ということを大切にしたこと、「Lemon」は松任谷由実「Hello,my friend」に大きく影響を受けて制作したことを明かした。過去の音楽に敬意を払い、作品にも寄り添いながら自分の歌としても成立させることは、“アーティスト”と“職人”の二面性を絶妙なバランスで使い分ける米津だからこそなし得たことだろう。その親和性を表すかのように、ドラマ放送のたびにTwitterでは楽曲名がトレンド入り。結果、冒頭に挙げた数字へと繋がった。

 そしてこの状況は、米津本人のステップアップともリンクする。前アルバム『BOOTLEG』は、自身初の初週売上16.1万枚でオリコン週間CDアルバム売上ランキングで1位を獲得。3月8日には全日本CDショップ店員組合が主催する「第10回CDショップ大賞2018」で大賞を獲得するなど、まさに大ブレイクといえる数字を記録。そして今回、初のドラマ主題歌書き下ろしで、これまでと違った層へも自身の楽曲を届けることができた。

 そんな米津にとって、間違いなくターニングポイントになるであろう同曲が、いよいよ今週CDとしてリリースされた。10月には自身最大規模の幕張メッセ公演も行うなど、確実に国民的歌手へ繋がるルートに乗ったといえる彼の大躍進の一年は、まだ始まったばかりだ。

(文=中村拓海/写真=Taro Mizutani)

■リリース情報
米津玄師 『Lemon』 先行配信
iTune
レコチョク

米津玄師 New Single 『Lemon』
発売日:3月14日(水)
レモン盤(初回限定):CD+レターセット ¥2,000+税
映像盤(初回限定):CD+DVD ¥1,900+税
初回仕様限定/通常盤:CD only ¥1,200+税 

<全形態共通・初回封入>※初回生産分のみ封入、なくなり次第終了となります。
米津玄師 2018 LIVE チケット最速先行抽選応募券
応募期間:2018年3月13日(火)12:00~3月18日(日)23:59

<収録内容>
-CD-(全形態共通)
1.Lemon
2.クランベリーとパンケーキ
3.Paper Flower

-DVD-(「映像盤(初回限定)」のみに収録)
ライブ映像『米津玄師 2018 LIVE / Fogbound 2018.01.10 日本武道館]』
砂の惑星 / 春雷 / LOSER / ゴーゴー幽霊船 / 爱丽丝 / ピースサイン / 打上花火 /灰色と青(+菅田将暉)

MV
春雷 / 灰色と青(+菅田将暉)

■ライブ情報
米津玄師 2018 LIVE
会場:千葉県 幕張メッセ 国際展示場ホール1~3
日程:2018年10月27日(土)OPEN 16:30 / START 18:00
2018年10月28日(日)OPEN 15:30 / START 17:00
(ライブの正式タイトルは未決定となります)

オフィシャルHP

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