Candy or Whip、CHiCO with HoneyWorks、Eve×Sou…最新チャートから考える、Jポップの今

 そして最後に何より感銘を受けたのが、こういった場所から新しい表現が着実に生まれているということである。特にEve×Souについては、ここ数年の4つ打ちロックのトレンドやゲスの極み乙女。を思わせるプログレッシブな展開をうまく消化しつつ、最近の若手ロックバンドとは微妙に異なる内向性をはらんだサウンドを巧みに生み出している。特にトリッキーな鍵盤を生かした「はくしの春」あたりは、いわゆる「ロックシーン」に放り込んだとしても非常にユニークなものとして響くのではないだろうか。

 自分の不勉強を恥じつつ、まだまだ自分が知らないところで面白いことが起こっているんだなあと明るい気持ちになる今週のチャートだった。無理して若ぶるつもりはもはやないが、遠い場所で起こっている地殻変動にももう少し敏感でいたい。

■レジー
1981年生まれ。一般企業に勤める傍ら、2012年7月に音楽ブログ「レジーのブログ」を開設。アーティスト/作品単体の批評にとどまらない「日本におけるポップミュージックの受容構造」を俯瞰した考察が音楽ファンのみならず音楽ライター・ミュージシャンの間で話題に。2013年春にQUICK JAPANへパスピエ『フィーバー』のディスクレビューを寄稿、以降は外部媒体での発信も行っている。

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