JUJUが語る、シンガーとしての歩みと感謝の思い 「東京のおかげで“JUJU”になれた」

JUJUが語る、シンガーとしての歩み

「すべては自分が選び取ったものでありたい」

――そして、2月21日に発売されるアルバムが『I』というタイトルで。オリジナルアルバムは2年2カ月ぶり。本当に素敵なアルバムに仕上がりました。

JUJU:ありがとうございます。私の中でも、一番好きだと言っても言い過ぎじゃないぐらいのアルバムができたなと。今できることを全部詰め込めたし、原点回帰というか、私が1枚目のシングルの頃にやりたかったことが、7枚目のアルバムでようやくできているのかなと思うと、それもまた感慨深いです。

――具体的に言うと?

JUJU:R&Bっぽいものとか、ビートのあるものとか。歌謡から、恨み節から。

――今回、全曲プロデューサーが違うんですよね。それは意図して?

JUJU:特にそういうわけではないんですけど、みなさんお忙しい方なので、誰かと一作すべてご一緒するのが現実的じゃないというのが一つあります。あと、シングルは毎回違う方にプロデュースとアレンジをお願いしているので、「この曲だったら、誰にアレンジをお願いしたら面白いだろう?」というのを、毎回みんなで机上の空論を楽しむんです。それで、「この人は?」「あの人は?」「やっていただけるかどうか聞いてみよう」って。結果、全曲違う方になったということですね。

――しかも今回、小田和正さん(「あなたがくれたもの」)や平井堅さん(「かわいそうだよね(with HITSUJI)」)という、普段あまりプロデュースや楽曲提供をしない方が参加しているという大ニュースがありまして。

JUJU:とてもありがたく思っています。お願いしてみるもんだなと。小田さんに関しては、出会いの最初の頃に、MONGOL800が沖縄でやっている『What a Wonderful World!!』というイベントの第1回(2009年)で、私と小田さん、RIP SLYMEやキヨサクくんなど、仲のいい人ばかりが出て。普通だと終わってから打ち上げをやると思うんですけれど、そのイベントは先にやっておこうということで、前夜祭があったんです。そこのアーティストエリアがおかしくて。飲むものが、ビールか古酒の泡盛、普通の泡盛しかないんですよ。「お茶とかないんですか?」「ないです」「お水は?」「お水もないです」。でも泡盛の水割りは作ってくれるんですよ。

――水あるじゃん(笑)。おかしいなあ。

JUJU:そこでみんなベロベロのなかで、小田さんともたくさんお話することができて。その後いろんなところに呼んでいただけたり、『クリスマスの約束』(TBS系)もずっと出させていただいたり。それで、打ち上げのたびに、「小田さん曲書いてくださいよ」って、ずーっと言ってたんですよ。

――平井堅さんは?

JUJU:平井さんも、一緒に飲んでる時に、やさぐれた話をずーっとしていて。そこで「JUJUにやさぐれた歌、歌わせてみたいな」ということを言ってくださっていたらしいんですよ。それであらためてオファーしたんですけど、難しい雰囲気もあって。お忙しいし、締め切りも抱えているし。でも、降ってきたらしいんですよ、やさぐれた歌が。一番だけ出来上がったものを、平井さんのピアノと歌に、お手紙を添えていただけて。

――奇跡の1曲ですよ。

JUJU:大先輩に向かってこう言うのもおこがましいですけど、感心、感動しました。すごい切り取り方をされるんですよ。本当に落ち込んでる時、どこを見るわけでもなくぼんやり座っていて、<越えられない夜にひとりきり、床のホコリを見てた>という。<床のホコリを見てた>って、言葉にできるのはすごいと思ったんですよ。

――僕もその歌詞に震えました。

JUJU:よく考えたら、飲んでた時に私と平井さん、ピアノがあるところで横に座り込んで飲んでたんですよ。私が酔っぱらって、何かを見ているようなところを切り取ったんだろうな。すごい! と思いました。<クローゼットにはあたしを飾る布切れだらけ>というのも、平井さんはうちの中を知ってるんじゃないかって(笑)。

――小田さんの「あなたがくれたもの」も、平井さんの「かわいそうだよね」も、みなさん、“らしい曲”を提供してますね。

JUJU:みなさんの個性、“I”が、そのまま出ていると思います。

――松尾潔さんの「Love Is Like」も、歌詞がすごいですね。

JUJU:<茜色に染まってく この時間がいちばん嫌いよ/愛する人たちのもとへ家路を急ぐ人生じゃない>。なんてこと言うんだって(笑)。

――曲のストーリーが一瞬でわかる詞ですね。

JUJU:この詞もいただいた時に、「さすが松尾さん」って震えました。この曲が一番最後のレコーディングになることはわかっていたので、早く録りたいと思ってました。

――最後に「I」があるのが、またいいんですよね。JUJUさんからみなさんへの感謝の言葉で終わるという、深い思いが伝わるエンディングだと思います。

JUJU:アルバムタイトルを『I』にしたのは、ここに来るまでの人生で、いろんな人の意見を聞いたり、いろんな情報に惑わされたり、流されたりしそうになったりしても、絶対に自分ありきでここまで来ていると思うんですよ。これからもいろんなことを言われたり、いろんなものを見たりするかもしれないけど、すべては自分が選び取ったものでありたいし、その積み重ねがあったからここまで来たということを、再確認したんですね。自分の人生も、これからも年齢は重ねていきますけど、今日が、生きてる中で一番若いですから。それを踏まえて、自分が納得する人生をこれからも歩んでいきたいという。それで『I』というタイトルに決めて、表題曲でアルバムを締めくくることにしました。

――なるほど。

JUJU:選び取ってきたものがあること、巡り合えたことに感謝しながら、これからも頑張ります。

――2年ぶりのホールツアーも、楽しみにしてます。

JUJU:ありがとうございます。長いツアーですけど、すごく楽しいツアーになるだろうと確信してます。

(取材・文=宮本英夫)

■リリース情報
アルバム『I』
2018年2月21日(水)
初回生産限定盤(CD+DVD)4,104円(税込)
通常盤(CD)¥3,240円(税込) 

<収録曲>
1.Love Is Like
2.いいわけ
3.かわいそうだよね (with HITSUJI)
4.東京
5.あの夜のふたり
6.RISKY
7.Let It Flow
8.Because of You
9.Roll the Dice
10.ウラハラ
11.believe believe
12.あなたがくれたもの
13.I

<初回限定盤DVD収録内容>
「-ジュジュ苑スペシャル-スナックJUJU アリーナツアー2017特別アンコール出店 at 横浜アリーナ」

シングル『東京』
2018年1月24日(水)
初回生産限定盤(CD+DVD)2,000円(税込)
通常盤(CD)1,280円(税込)
ダウンロード/ストリーミングはこちらから。

<収録曲>
1. 東京
2. ウラハラ
3. 藍
4. 東京 -Instrumental-

<初回限定盤DVD収録内容>
「JUJU HALL TOUR 2016 WHAT YOU WANT -4th selection-」
1. WITH YOU
2. Eternally
3. 奇跡を望むなら...
4. ありがとう

■ツアー情報
全国ホールツアー『JUJU HALL TOUR 2018「I」』
詳細はこちら。

■関連リンク
JUJUオフィシャルサイト
7th Album『I』スペシャルサイト

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