NexTone、YouTubeから再生数に応じた著作権料徴収へ 弁護士が語る法的ポイントは?

NexTone、YouTubeとの新契約の法的ポイントは?

 今回の契約の対象はNexToneの管理楽曲のみ。今後、その対象が広がる可能性はあるのだろうか。

「いずれはより正確に再生回数を把握できる方向になると思いますが、管理している楽曲数がNexToneとJASRACでは段違い。NexToneが管理しているのは21世紀以降の比較的新しいポップミュージックの音源が多いですが、JASRACは最新曲からかなり昔のものまで、相当な数の楽曲を管理しています。その全ての楽曲の再生回数までを把握するのは技術的、労力的、様々な面で難しいのではないかと個人的には思います。NexToneと結んだような契約を今すぐに全ての楽曲を対象にする、というのはあまり現実的ではないかもしれませんね」

 海外ではロイヤリティ料トラッキングアプリ・MyBMGがリリースされるなど(参考:作曲家がロイヤリティ支払額を把握できる専用アプリ、音楽出版大手のBMGが作曲家と共同開発(ALL DIGITAL MUSIC))、正確な分配に向けた動きも出ているものの、現在の技術では正確に楽曲再生回数を把握し、全アーティストに対して著作権料を公平に支払うというのは難しい。まずはNexToneの動きを注視し、アーティスト側がきちんと著作権料を受け取れるような技術の発展を待ちたい。

(文=村上夏菜)

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