Flower、歌とダンス意識した「たいようの哀悼歌」で初の首位獲得 同曲が引き出したグループの魅力

 カップリング曲に目を向けると、「Stranger」は一転してダンス・オリエンテッドなナンバー。作詞は小竹正人、作編曲はRed-T・Kei Shimojo。Red-Tは、NEWS、加藤ミリヤ、V6などへ楽曲提供をしている作編曲家、プロデューサーです。Kei Shimojoこと下條ケイは、SUEMITSU & THE SUEMITHの編曲も手掛けている作編曲家。Red-TとKei Shimojoは、Flowerのサウンドにベース・ミュージックの要素を持ちこんでいて驚きました。

 同じくカップリング曲の「熱帯魚の涙 Asiatic version」は、2014年のシングル「熱帯魚の涙」を、箏・三絃・二十五絃箏演奏家の中井智弥が編曲したもの。原曲以上にボーカルをじっくり聴かせるバージョンへと変貌しています。

 ベース・ミュージックを取りこんだ「Stranger」と、箏奏者の手による「熱帯魚の涙 Asiatic version」のギャップは大きいですが、それも「たいようの哀悼歌」があってこそ成立するもの。歌とダンスの両面を意識した機能性を持つサウンドの「たいようの哀悼歌」が、Flowerというグループの魅力をしっかりと引きだし、1位獲得へと導いたことは間違いないでしょう。

■宗像明将
1972年生まれ。「MUSIC MAGAZINE」「レコード・コレクターズ」などで、はっぴいえんど以降の日本のロックやポップス、ビーチ・ボーイズの流れをくむ欧米のロックやポップス、ワールドミュージックや民俗音楽について執筆する音楽評論家。近年は時流に押され、趣味の範囲にしておきたかったアイドルに関しての原稿執筆も多い。Twitter

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