AKB48総選挙、チーム8は今年どう活躍したか? 結成4年目で見えた強みと課題

チーム8『総選挙』でどう活躍した?

逸材揃いだが選挙は苦手?

小栗有以

 パフォーマンス力の高い中野郁海(鳥取)、谷川聖(秋田)も速報では名前が挙がっていたものの、本番では名前が呼ばれることはなかった。大西桃香(奈良)はSHOWROOMアピールイベントで、昨年のSHOWROOM女王のNGT46・中井りかを破って圧倒的に1位だったが、残念ながら本番ではランクインせず。だが、早くも気持ちを切り替えて「来年は20位を目指す」と宣言。他にも同じアピールイベントで猛追し、一気に知名度を上げ、ダークホースとして注目を集めた佐藤栞(新潟)も届かなかった。

 チーム8はグループ結成から4年目を迎えて人気も上々、ライブやイベントは盛り上がっているが、選挙は決して強くない。今年は5名が選ばれたので、昨年に比べると増加しているが、他にもランクインして良いと思われるメンバーが多くいる。

 “会いに行くアイドル”をコンセプトとするチーム8は全国のあらゆる所でツアーやイベントがあり、ファンはチーム8が参加するイベントには全国津々浦々足を運ぶ。そのため、地方への遠征費用がかかるので投票までお金が回らないのかもしれない。またチーム8は他チームと比べると、ファンが特定のメンバーだけを推すよりも、チーム全体を応援する、いわゆる“箱押し”が多いため、1人のメンバーに絞って大量投票するよりも、票が分散してしまう傾向があるのだろう。それでも5人がランクインしたことは快挙だ。もっと多くのメンバーがランクインするにはチーム8の活動だけでなく、個々人の幅広い活躍と多様な露出が求められる。

 「総選挙だけが全てではない」と言うファンも多いが、彼女たちは新たな活躍の場を見つけようと、総選挙に全力を注ぎこんでいる。今年はNGT48の台頭が目立ち、STU48が初出馬を果たすなど、若手グループも激戦だった。来年はますます厳しい戦いが予想される。来年の総選挙に向けてファンとメンバーはどのような動きを見せるのだろうか。

(画像提供=(C)AKS)

■佐藤 仁
シンクタンク研究員。ポップカルチャーやエンタメ・コンテンツが国際社会や日本経済に与える影響を研究。例えば日本とアジアのソフトパワーの源泉はどこにあり、これからどのように進化していくのかについてミクロ(個人単位)からマクロ(社会全体)まで幅広い視点から探求。

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