神聖かまってちゃんと『進撃の巨人』に共通する世界観は? ED曲「夕暮れの鳥」の相性を読む

 そのように「弱さ」が根底にありつつも、周囲からのバッシングを恐れずに表現したり、長年に渡ってファンの声に応えて作品を作り続けていくためには、「強さ」も必要だ。そして、「弱さ」をビジネスにするのは意外と難しい。バンドであれば、精神的に不安定なメンバーがいれば解散が早まったりメンバーチェンジにも繋がるし、漫画家だって週刊連載を続けるにはタフでなくてはならない。「弱さ」と「強さ」の二面性を保ちながら、長年安定して活動を続ける。その点で諫山と神聖かまってちゃんは共通しているが、これはそうそうできることではないのだ。

 このように、諫山が神聖かまってちゃんに多大な影響を受けてきたことや、両者に重なる部分が多いことも鑑みれば、今回のEDタイアップはまさに最強のタッグだといえるだろう。「夕暮れの鳥」以外のシングル収録曲も『進撃の巨人』にゆかりがあるため、制作のルーツを辿るという意味で、進撃ファンもぜひ手にとってほしい。

■まにょ
ライター(元ミュージシャン)。1989年、東京生まれ。早大文学部美術史コース卒。インストガールズバンド「虚弱。」でドラムを担当し、2012年には1stアルバムで全国デビュー。現在はカルチャー系ライターとして、各所で執筆中。好物はガンアクションアニメ。Twitter

■リリース情報
『夕暮れの鳥/光の言葉』
発売:5月24日(水)
価格:(CDのみ)¥1,500+税

<収録内容>
M1.夕暮れの鳥 (TVアニメ「進撃の巨人」Season 2 エンディングテーマ主題歌)
M2.光の言葉 (Abema TV「AbemaPrime」5月度のエンディングテーマ)
M3.男はロマンだぜ!たけだ君っ(2017新録音ver.)
M4.コンクリートの向こう側へ(2017 最新リマスター)

■関連リンク
特設サイト
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