音楽ゲームはシームレスに発展? デレステ、Deemo、Arcaeaなどから新潮流を探る

 さらに同氏は「日本と海外のゲームがクロスオーバーすれば面白いシーンが生まれる」と、今後の音ゲーの潮流についても言及する。

「もともと『beatmania』や『pop'n music』などの音ゲー文化はゲームとして独自の地位を確立していたのですがが、、『初音ミク -Project DIVA-』などボカロとの親和性を強調された作品の登場によって、イラストやオタクといったネット文化と結びつきました。さらに、一般人も楽曲を提供できる『SOUND VOLTEX』の影響で、インディーズシーンで活動していたクリエイターの流入が加速し、さらに大きなシーンへと発展。ネット文化と密接になりました。ネット文化と近づいたことで、ネット黎明期からアンダーグラウンドなものとして認識されていた音楽ゲーム『BM98』などのシーンとの関係も風通しがよくなりましたし、ゲームメーカーの枠組みも超えやすくなっています。海外との繋がりも生まれるようになりました。個々に存在していたシーンの垣根がなくなり、よりシームレスに音ゲーを楽しもうという動きへと変化しているわけです。すでに海外と日本でクロスオーバーしている事例もあって、わかりやすい例では『Deemo』には『ファイナル・ファンタジー』シリーズの楽曲でおなじみの植松伸夫さんのバンドが楽曲を提供しています。今後はインディーズシーンから音ゲーに楽曲を提供する人がもっと増えて、その作り手が海外のクリエイターとも交流するようになれば、世界的に音ゲー文化が豊かになっていくはずです」

 日本でスクウェア・エニックスの最新作『青空アンダーガールズ!』やアイドルマスターシリーズの最新作『アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ』などの注目作が発表される一方で、アメリカの『Neon FM』、韓国の『BeatEVO YG~ビート・エボリューション~』、中国の『Lethe』といった海外アプリも日本での配信が決定している。よりグローバルな展開が、今後の音楽ゲーム発展の鍵となりそうだ。

(文=泉夏音)

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