三戸なつめが明かす、“アーティスト”としての成長「思ったことを伝えられるようになってきた」

三戸なつめ、“アーティスト”としての成長

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「オシャレなんだけど、ヘンな世界観が好き」

ーー懐かしさといえば、今回、1stアルバムにして『なつめろ』というダブルミーニングなタイトルがユニークだと思いました。どうやって決まったのですか?

三戸:ヤスタカさんに「アルバムのタイトルは『なつめろ』でいこう!」と言われて。あ、なんか凄いわかりやすいかもしれないなと。自分の世界観にもぴったりですよね。

ーーアートワークはいかがでしたか?

三戸:SIXの矢後直規さんにアートディレクターをやっていただきました。矢後さんは、密なコミュニケーションを重ねることでアイデアを考えてくださって。今まで、モデルとしては自己プロデュースでやってきたんですけど、今回、自分一人じゃできない良いものを作りたいなと思って。オシャレなんだけど、ヘンな世界観が好きなんですね。その結果、背景が荒野というか地層なんですけど、その前にレトロな椅子やラジカセがあることで、時代を超えている感じというか、若干の違和感を表現してもらっています。

ーーそれこそ、クールでアートなイメージを醸し出していますよね。シリアスなSF感もある。

三戸:私的には、未来、それこそ何十年経ってもみんなに『なつめろ』を聴いてもらいたいっていう思いがあったんですね。なので、自分に似ているおばあちゃんもキャストとして登場するんです。すごく可愛くて上品なおばあちゃん。今の自分と未来の自分を表現していて。実はブックレットも凝っていてストーリー性があるんですよ。是非、買って中身をチェックしてみてほしいです。

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ーー服のこだわりも?

三戸:赤が好きなので真っ赤なドレスを。中国の生地を集めたパッチワークみたいな素材ですよね。シングル『パズル / ハナビラ』のジャケット写真から、洋服も子供っぽいものよりも、スケ感があったり、より大人をイメージしてますね。

ーー音楽活動を通して、成長した自分をどんなところに感じていますか?

三戸:最初のライブが下北のGARDENだったんです。『初なつめ祭〜先輩達にお手伝いしてもらいますLIVE〜』っていうタイトルで、自分の出番の前に、事務所の先輩や仲良い女芸人の子を呼んだんですね。そのライブの映像を見返したらもう恥ずかしくって(苦笑)。今も、喋りがうまくなったわけではないんですけど、人に思ったことをちゃんと伝えられるようになってきたかな。あと、すごく度胸がついたなと思います。アウェーなライブでも、かえって開き直れるようになりました。

ーーアウェーな場など、負けずに自分を出す時にこだわっているポイントは?

三戸:感情論になっちゃうんですけど、あまり、怖がらない様にしようと。これを言ったら嫌われちゃうかなとか、ライブがうまくいかなかったら離れていっちゃうかなとか、ネガティブ思考をやめました。割とマイペースな方向にチェンジしてます。

ーーなるほどね。それはそうと、なつめさん、声がいいんですよね。人を落ち着かせる成分が入ってそう。

三戸:ありがとうございます。声を褒められるのは嬉しいですね。最初の頃、ヤスタカさんのサウンドに自分の声が合わないんじゃないかなって不安があったんですよ。でも、ヤスタカさんの未来的なサウンドに、安心するような自分の声が入ることで、化学反応が起きてくれたら嬉しいですね。

ーー特典のDVDには、いろいろぶっとんでチャレンジされた成果がまとまっていますね。

三戸:デビュー時から、面白いことをたくさんしてきましたよね(笑)。ちなみに、YouTubeにあがっているMVは途中で終わっちゃうんですよ。「私をフェスに連れてって」なんかは物語風になっているんですけど、いいところで終終わってしまうので、それらを作品としてちゃんと観てもらえるのが嬉しいですね。

ーー撮影で大変だったことは?

三戸:〈動いた。〉という物作りをしているチームの作品で「8ビットボーイ」-三戸マス目篇- というMVがあるんですけど、これは今回初公開になるんです。スケールが大きすぎて間に合わなかったんですよ。説明すると、すごく大きな自分の顔の形のアナログな機械があって、ばーっと段になって連なっていて。それを音楽と一緒に動かしていくんです。遠くから見たら文字になっていたり。でも、アナログな機械だからなかなかシンクロしないんですよ。何度も撮り直しました。あ、言葉で説明してもわかりづらいと思うので、ぜひ観てください。

三戸なつめ「三戸マス目」

ーーははは(笑)。それは気になりますよね。それこそ、中田ヤスタカさんのプロデュースや、パッケージ、そして映像など様々なクリエイターが集まって“三戸なつめ”は形作られていると思いますが、受け入れるのもまた勇気がいることなんじゃないですか?

三戸:そうですね。でも、そこはクリエイターさんありきだと思っています。この人だったら任せていいみたいな。ヤスタカさんもそうですし、今までMVを作ってくれた方達もそうなんですけど、個性が強すぎる方々が多くて。変に口を出したらその世界観が崩れてしまうと思いますし、なので、そこは信頼しきってますね。絶対面白いものが出来るだろうなと。結果、想像以上に面白いものが上がってくるので。

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