欅坂46、なぜ「不協和音」が表題曲なのか? 5形態全7曲で表現されたグループの現在

 初回仕様限定盤 TYPE-Cのカップリングは、「青空とMARRY」(志田愛佳、菅井友香、守屋茜、渡辺梨加、渡邉理佐)による「割れたスマホ」。ブラスの音色は1970年代の歌謡曲を連想させますが、歌詞では「ディス」「スマートフォン」といった現代的な単語がキーワードになっています。歌詞とサウンドの時代性に意図的にギャップを作った楽曲でしょう。

青空とMARRY「割れたスマホ」

 けやき坂46による「僕たちは付き合っている」は、初回仕様限定盤 TYPE-Dのカップリング。ピアノの響きの存在感の大きいアコースティック感覚の強い楽曲で、サビでの裏打ちも軽快です。そして、キラキラとした音色のキーボードのアクセント的な使い方は、「不協和音」と対照的だとも感じました。

「けやき坂46僕たちは付き合っている」

 今回の『不協和音』でリリースされたのは、全5形態で7曲。クオリティが高い楽曲ばかりの中で、なぜサウンドのカラーが異なる「不協和音」が表題曲となったのか? その理由を考えながら聴いてみるのも一興でしょう。

■宗像明将
1972年生まれ。「MUSIC MAGAZINE」「レコード・コレクターズ」などで、はっぴいえんど以降の日本のロックやポップス、ビーチ・ボーイズの流れをくむ欧米のロックやポップス、ワールドミュージックや民俗音楽について執筆する音楽評論家。近年は時流に押され、趣味の範囲にしておきたかったアイドルに関しての原稿執筆も多い。Twitter

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