バクホン、SHISHAMO、クリープ、黒猫チェルシー、爆弾ジョニー…ロックバンドが迎える新局面

 前作『HERENTIC ZOO」以来、じつに4年半ぶりの黒猫チェルシーのオリジナルアルバム『LIFE IS A MIRACLE』。渡辺大知(V)が出演したNHK連続テレビ小説『まれ』の劇中バンドの楽曲(「涙のふたり」「また会おう」)、映画『新宿スワンⅡ』の挿入歌「海沿いの街」といったタイアップ曲も収録されているが、本作を聴いてもっとも印象に残ったのは、メンバー自身のフェイバリット(ELO、デヴィッド・ボウイ、Black Sabbath、Led Zeppelinなどなど)からの影響を受け継ぎつつ、それを自由に取り入れながら、圧倒的な独創性を備えたロックナンバーにつなげていること。音楽に対する造詣と愛、プレイヤビリティの高さを含め、このバンドの潜在能力はやはり破格。本作から始まる新たなストーリーをしっかり追いかけたいと思う。

黒猫チェルシー 『LIFE IS A MIRACLE』Short Movie

 りょーめー(V)の心身の不調により2014年11月から活動を休止していた爆弾ジョニー。昨年6月に活動を再開、その最初のアクションとなる全国ツアー『ROAD to BAKUDANIUS 2016』のライブ音源をコンパイルしたのが、本作『Live to BAKUDANIUS』である。代表曲3曲(「終わりなき午後の冒険者」「唯一人」「かなしみのない場所へ」)と、ブラックミュージック、フォークソングなどのテイストを感じさせる新曲9曲で構成された本作は、このバンドのカムバック作であると同時に、リアルなドキュメンタリー作品のような生々しさを体現している。RCサクセションのライブ盤『RHAPSODY』(1980年)のように、本作がバンドのブレイクのきっかけになることを願う。

爆弾ジョニー Live to BAKUDANIUS - Album Trailer

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

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