ジャニヲタ2万人参加『ジャニーズ楽曲大賞』上位曲を解説 あの曲が人気高い理由とは?

 圧倒的なポイント数で1位となったのは、関ジャニ∞の最新シングル曲「NOROSHI」だった。これはエイトの戦友的存在・生田斗真が主演する映画『土竜の唄』の主題歌第2弾。前主題歌「キング オブ 男!」の義理人情に厚く男臭い路線を引き継ぎつつ、和のエッセンスがプラスされている。テレビ番組やツアー『関ジャニ'sエイターテインメント』で披露した和装姿でのバンド演奏に「カッコいい!」と胸打たれる人が続出した。エイトの音楽性を形作る、“バンド曲”と“男臭くアツい曲”、その双方の最高到達点と言えるだろう。ちなみに楽曲部門において、シングル表題曲以外で最も高い6位をマークしたのも彼らの楽曲「Black of night」。こちらはひさびさのダンスMVで、作詞・作曲・プロデュースを担当した安田章大の才能を絶賛する声が特に多い。このように関ジャニ∞は音楽的武器を、バンド演奏、メンバー個々の作曲能力、歌唱力、提供アーティスト、ダンス、ビジュアルなど、全方位的に有してアップデートを続けており、2017年もジャニーズ楽曲の幅を広げる存在となりそうだ。

 また、コンサートや舞台を意味する“現場”の人気投票「現場部門」を制したのは、Hey! Say! JUMPが7月から11月にかけて開催したアリーナツアー『Hey! Say! JUMP LIVE TOUR 2016 DEAR.』だ。メンバーの山田涼介が“仮面舞踏会”をテーマに総合演出を手がけ、ジャニーズ現場の醍醐味である非日常的な空間を提供して来場者の心を満たした。次点以降は、ジャニーズWESTが京セラドーム大阪で行った初のドーム公演、KAT-TUNの充電期間前最後の場となった3人体制での10周年ツアー、というようにメモリアルなステージが続いている。

 「未音源化楽曲部門」では、楽曲部門と同様2位に大きな差を付けて、関ジャニ∞「Tokyoholic」が首位を獲得。作詞作曲者の錦戸亮が“東京”への思いをぶつけたエモーショナルな楽曲で、「NOROSHI」の初回限定盤A特典DVDにセッション映像が収められ、その後コンサートでも演奏された。2位以降には、Prince、Love-tune、Mr.KING、SixTONES、Snow Man、関西ジャニーズJr.といったジャニーズJr.内ユニットの各オリジナル曲や、三宅健(V6)と滝沢秀明(タッキー&翼)が『滝沢歌舞伎 2016』で披露したオリジナル曲、A.B.C-Z主演の舞台『ABC座2016 株式会社応援屋!!~OH&YEAH!!~』で西寺郷太(NONA REEVES)が制作した曲などが並ぶ。このうち、9位のV6「ハナヒラケ」と16位のV6「足跡」はCMで音源の一部が公開されているのみだったが、3月15日にニューシングルに収録されることが決定した。そのほかの曲も音源化もしくは映像化され、手元で楽しめることを願おう。

 ちなみに筆者が1つずつ選ぶとするなら、楽曲部門はKinKi Kids「なんねんたっても」(70位)、現場部門は「JOHNNY’S Future WORLD」(9位)、未音源化楽曲部門は三宅健・滝沢秀明「LOVE」(11位)、そしてベストバイ部門は「SMAP 25 YEARS」(6位)に投じたい。2017年は現時点で20th Centuryの『TWENTIETH TRIANGLE TOUR「戸惑いの惑星」』が早々に年間ベストと言いたいほど素晴らしい現場だった。SMAPの新しい作品がもう出ないことだけが残念でならないが、ジャニーズには今年も私たちの期待値を超える楽曲や現場を生み出してほしい。

■鳴田麻未
1990年東京都生まれ。ライター、編集者。2009年に都立工芸高校グラフィックアーツ科を卒業。同年夏から2016年まで7年半にわたって音楽ニュースサイト「音楽ナタリー」編集記者として、ニュース記事執筆、特集制作、企画、営業を行う。2017年1月より独立。Twitter:@m_ami_

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「音楽シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる