清木場俊介『友へ』は、どのようにして生まれたのか? EXILE ATSUSHIとの歩みを振り返る

清木場俊介『友へ』誕生の背景

「あの頃の僕らになら、お互いに歩み寄れる」

 ATSUSHIはポリープ切除や新メンバーのオーディションといった荒波を乗り越え、EXILEだからこそ魅せられるエンターテインメントを突き詰めていった。TAKAHIROという逸材を発掘した第二章のEXILEは、さらにスターダムへとのし上がっていく。清木場もロック路線を定め、ライブハウスでソロ活動を開始。藤井氏は、当時の清木場のライブの雰囲気を「一心不乱かつ一触即発。緊張が張り詰めていた」と振り返る。

 「僕が辞めてから2、3年はお互い1度も連絡をしませんでした」(清木場)再会の約束はしなかった二人。それぞれの道を歩むと決めたからには、自分の決断に後悔はするまい、別の道を歩んだ相棒に負けたくない、そんな気持ちもあったのではないか。二人が再び連絡を取るようになったのは、30代に入ったころだった。年に数回会うようになり、やがてどちらからともなく「いつかは(一緒に)やりたいね」という言葉が交わされるようになった。

 そして2014年、二人はコラボ・レコーディングを果たす。ATSUSHIからの要望で、ソロ2ndアルバム『Music』に脱退前にレコーディングした未発表曲「The Impossible is Real 〜My Lucky Star〜」を新たに収録することになった。そして、清木場のベストアルバム『唄い屋・BEST Vo.1』で「羽 1/2」を新録。

 藤井氏の取材に応じた清木場は、コラボした当時の感想を以下のように述べている。

「僕ら、もうすでに別々の道を歩いているので、音楽のジャンルも違えば、唄う内容も違っているから、噛み合うのはあの頃の曲だけです。昔の友だちに久しぶりに会うと、今どうしているとか、これからどうするって話より、あの頃のなつかしい話でもりあがるのと似ています。綿密な打ち合わせがあったわけじゃないのに、ATSUSHIも僕も過去の曲を挙げたのが、お互いにそう思っていた証明でしょうね」

 二人は別の角度から進化を遂げていた。それは、リリースされている作品を聴けば、何も語らずともわかること。

「お互いが今の自分を主張し過ぎたら、うまく噛み合わない。でも、あの頃の僕らになら、お互いに歩み寄れます」

 あの頃をなつかしみながらも、今の二人がどのレベルに達しているのか。最高の相棒であり、最高のライバルだからこそ、共に唄うことによって、ちゃんと前に進んでいることを実感できたのだろう。このときのコラボレーションを、ATSUSHIは“奇跡の共演”と呼んだ。だが、その奇跡は、2年後に再び訪れる。それは、清木場のピンチから始まったのだ……。(続く)

(文=吉梅明花)

■リリース情報
『友へ』
発売:2017年2月8日(水)
通常盤:¥1,200(税抜)
初回数量限定盤A (唄い屋 RED):¥2,000(税抜)
初回数量限定盤B (唄い屋 BLACK):¥2,000(税抜)
※初回限定盤Aは清木場俊介特製“唄い屋”今治タオルRED、BはBLACKをそれぞれ付属
〈収録曲〉
1.友へ
2.六花
3.ずっとありがとう
4.友へ -instrumental-

iTunes
mora
レコチョク

『友へ』特設サイト

『RUSH』
DVD / Blu-ray
発売:2017年2月8日(水)
DVD(2枚組)
価格:¥6,000(税抜)
Blu-Ray
価格:¥7,000(税抜)

■ライブ情報
『KIYOKIBA SHUNSUKE ROCK&SOUL "REBORN"』
6月10日(土)森のホール21(松戸)
6月18日(日)滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール
6月24日(土)広島JMSアステールプラザ 大ホール
6月25日(日)福岡国際会議場 メインホール
7月1日(土)静岡市民文化会館 中ホール
7月7日(金)札幌市教育文化会館 大ホール
7月16日(日)仙台イズミティ21
7月17日(月・祝)パシフィコ横浜 国立大ホール
7月22日(土)日本特殊陶業市民会館 フォレストホール(愛知県)
7月28日(金)グランキューブ大阪 メインホール
7月29日(土)グランキューブ大阪 メインホール

ROCK&SOUL "REBORN"特設ページ

清木場俊介オフィシャルサイト

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