REOLが語る、“異質”のクリエイター3人がタッグ組んだ理由「精神的な部分で共鳴できる」

REOL、クリエイター3人がタッグを組んだ理由とは?

「映像も曲も自分たちで作って、一番濃いものになった」(ギガ)

――ボーカルについても、例えば今作なら「コノヨLoading...」や「サマーホラーパーティ」など、可愛らしさを強調できそうな曲もありますが、やはり一筋縄ではいかないというか、イノセントなイメージもありつつ、グサグサと刺さるような印象があります。あらためて、れをるさんの歌声についてはいかがですか。

ギガ:すごくいいです。単純に可愛く歌っているのは想像できないんです(笑)。

お菊:うん、すごい声をしていると思ってます。

れをる:インターネットに動画を上げる前までは、外で話していると親に「あなたの声は通るんだから、変なこと話しちゃダメだよ」なんて言われて、「私の声って、通るんだな」くらいにしか思っていなかったんです。でも、ネットで「ボイチェン使ってる?」みたいに言われて、ちょっと人じゃないみたいな声に聴こえているんだな、ということに気づきました。客観的には、わりと高めで、幼な声だと思うんですけど、性格を知ってくれている人からすると、「可愛い曲とか歌いたくないんだろうな」と考えていると思います。実際そうで、尖った曲と化学反応しているから、この性格でよかったなって。最初のころは可愛い曲もチョロっと歌ってみたんですけど、やっぱり照れが出ちゃうんですよね(笑)。

――本質はロックボーカリストですよね。多くのクリエイターが参加した『極彩色』にもロックナンバーが揃っていたし、2014年12月にニコニコ動画にアップされた、人気歌い手のコラボ曲「Connecting」(halyosy)でも、れをるさんは最も勢いのあるロックなパートを担当していました。周りもそう捉えているのではないかと。

れをる:高校生のときにボーカルをやろうと思うきっかけになった先輩がいるんですけど、すごくぶっとんだステージングをする人だったんです。歌って巧さだけじゃないんだって、その立ち振舞に衝撃を受けて。そういう鬼気迫るというか、強く訴えるものがあるボーカリストが好きなんです。だから、根底にはロックな人への憧れがあるのかもしれません。

――今作もエレクトロ、ダンスミュージック的なサウンドのなかに、やっぱりロックなニュアンスが出ています。

れをる:そうですね。エレクトロ系だと、リズムの変化もロックほどないから淡々と歌うボーカリストの方が多いんですけど、逆にそういう人はいっぱいいるから、やってないところを攻めたい気持ちもあって。「ギミアブレスタッナウ」もそうで、変な歌い方をしてやりたい、みたいな欲は出ちゃいます。

――“中毒性”という便利な言葉でまとめるのもなんですが、繰り返し聴き、映像を観てしまう力があります。やっぱり、この3人だからできることなんでしょうね。

れをる:前に出るのは私でも、この2人についていかなきゃ、って必死なんですよ。

お菊:私もそうです。置いてかれないように必死についていってます。

ギガ:みんなスゴいと思います。

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ギガ

――お互いがお互いを引っ張り上げていると。

れをる:インターネットで活動しているアーティストは、いろんな人と組むことがよく見られますよね。普通、ボーカルがいろんなバンドを掛け持ちすることなんてなかなかできないけれど、例えばニコ動で言うと歌い手がいろんなボカロPと組んでも、何も言われない。そんななかで、私たちはなぜか3人で固まってやっていたという、異質な存在だったんです。「ギガの曲を歌っているのがれをるでよかった」と思われたいし、「その映像がお菊でよかった」と思われたい。3人ともそういう部分はあると思います。

――お互いにとって替えのきかない存在でありたいと。ニコ動でも、時おりそういう幸福な出会いがありますね。40mPと、動画クリエイターのたまさんとか。

れをる:そうですね。こういうのって、クリエイターとしての方向性が合っているだけだと思われるかもしれないですけど、やっぱり精神的な部分で共鳴できることがすごく大きいんです。そんな出会いを与えてくれるインターネットスゴい! って思います。もちろん、変な人もいるから注意ですけど(笑)。

お菊:そう、ツイッターに個人情報とかダメです!(笑)

れをる:でもリアルの場、例えば地元でかかわれる人間ってせいぜい100人くらいだけど、インターネットなら膨大な数の人がいるから、そのなかで本当に強く共鳴できる人と出会って、私たちみたいに音楽活動を一緒に始める人も増えていると思うんです。

――部活に例えると、地区選抜じゃなく全国選抜、世界選抜まで作れますね。

れをる:そうそう(笑)。可能性が大きく広がると思います。

――さて、これまで応援してきたファンはもちろん、今作はより多く音楽ファンに届いていくと思います。どんな気持ちで受け取ってもらいたいですか?

れをる:今までずっと聴いてくれている方は、その全員をちゃんと連れて次のステップに向かいたいと考えてきましたし、今後の作品も含めて、絶対に面白いものを見せられる、驚かせられると思っています。初めて聴いてくださる人は、世の中に音楽が溢れているなかで、こんな謎の新人を聴いてくれるなんて物好きな人だと思うので(笑)、やっぱり思い切り楽しんでもらいたいです。たくさんの人に聴いてもらうために音楽をやっているので、聴いてもらえるだけでうれしいし、見つけてくれてありがとう、と言いたいですね。

お菊:多分、私は2人の一番のファンだと思うんです。その感想として本当にいいアルバムになっているし、DVDにはファン目線でよろこばしいメイキング映像も収録したので、ぜひそれも観てもらいたいですね。絶対ハマりますよ!

ギガ:REOLになって映像も曲も自分たちで作って、一番濃いものになりました。ハマる人はものすごくハマると思うので、気をつけてください(笑)。

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(取材・文=橋川良寛/撮影=竹内洋平)

■リリース情報
『Σ』
発売中
初回限定盤(CD+DVD):3,241yen (+tax)
通常盤(CD):2,315yen (+tax)

<CD収録内容>
01. VIP KID
02. ギミアブレスタッナウ
03. 宵々古今
04. コノヨLoading...
05. RE:
06. Lunatic
07. 神様になった日
08. ちるちる
09. -FINAL SIGMA-
10. DetaramE KiddinG
11. サマーホラーパーティ
12. 404 not found
13. VIORA

<DVD収録内容(初回限定盤)>
01. ギミアブレスタッナウ Music Video
02. 宵々古今 Music Video
03. ちるちる Music Video
04. メイキング映像

■オフィシャルサイト
http://www.reol.jp/

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