FLOWER FLOWER、新作『宝物』の鮮烈なコントラスト! “yui”と“バンド”両面が見える内容に

 そして、カップリングの「炎」は一転してソウル色が濃く、メロウなナンバー。ギターのリフもファンキーです。

 「宝物」はyuiの作詞作曲によるものですが、「炎」はyui作詞、FLOWER FLOWER作曲。FLOWER FLOWERの公式Twitterアカウントでは、曲作りについて、yuiがモチーフとなる楽曲をアコースティックで作ってバンドでアレンジする形と、ジャムセッションで作る形があると紹介しています。「宝物」は前者、「炎」は後者に当たるそうです。

 終盤に向けて緊張感と昂揚感を増していく「炎」では、各メンバーのプレイにも個性がはっきりと感じられ、「宝物」以上に「バンドの楽曲」だと感じます。

 そして、まるで雰囲気が異なる「宝物」と「炎」ですが、2曲とも実はラブソングである点では共通しています。しかしながら、yuiというシンガーソングライターとしての側面と、FLOWER FLOWERというバンドとしての側面が、それぞれ浮かびあがっています。生と死、あるいはソロとバンド。FLOWER FLOWERの『宝物』は、そうしたコントラストを鮮やかに浮かびあがらせているシングルです。

■宗像明将
1972年生まれ。「MUSIC MAGAZINE」「レコード・コレクターズ」などで、はっぴいえんど以降の日本のロックやポップス、ビーチ・ボーイズの流れをくむ欧米のロックやポップス、ワールドミュージックや民俗音楽について執筆する音楽評論家。近年は時流に押され、趣味の範囲にしておきたかったアイドルに関しての原稿執筆も多い。Twitter

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