丸本莉子が語る、リアルなラブソングへの挑戦とストリートライブにかける思い

「私の中にない世界観を取り入れてみたかった」

――そのストリートライブではすでに披露しているようですが、8月24日に新曲「ガーベラの空」が配信リリースされます。この曲の制作は、どんな感じだったのですか？

丸本：この曲の基盤になっている曲は結構昔からあったもので、歌詞も全部ついていたんですよね。それをある時スタッフさんが聴いて、「この曲は、メロディがいいから、もう一回録り直そうよ」って言ってくださって。それで、また改めて録り直すことになったんですけど、もともとついていた歌詞がちょっと今の感じにそぐわないなっていうのがあって。で、いい機会だから、プロの作詞家の方と「共作」という形で、改めて歌詞を書き直してみようかっていう話になったんですよね。

――他の方と歌詞を共作するのは、今回が初ですよね？

丸本：そうですね。これまでずっと自分ひとりで作詞作曲をやってきて……ただ、一度作詞家さんと一緒にやって、私の中にない世界観を歌詞の中に取り入れてみたいなっていう思いは、ずっとあったんですよね。で、今回、ちょうどよい機会だから、ひとつやってみようかっていう話になって。それで、作詞家の藤林聖子さんとご一緒させてもらうことになったんです。

――藤林さんと言えば、J-POPから特撮の主題歌まで、実に幅広いジャンルで活躍されているベテラン作詞家の方ですが、具体的には、どんなふうに作業を進めていったのですか？

丸本：曲を聴いていただいた上で、最初に一度打ち合わせをして、「こういうふうな方向でいきましょう」っていう話をさせていただいて。それをもとに、お互い考えながら、最終的な歌詞を詰めていった感じですね。

――その方向性というのは？

丸本：もともとの曲の雰囲気から、ラブソングにしようっていうことを決めて……あと、8月の終わりにリリースすることは決まっていたので、ラブソングはラブソングでも、あんまり重たくないラブソングというか、軽やかで爽快なラブソングにしたいですねっていう感じですかね。

――前回のミニアルバム『フシギな夢の中』は、確かにバラード中心の一枚となっていましたが、あまりストレートなラブソングというのは、多くなかったように思います。だけど、この「ガーベラの空」は、かなり具体的な歌詞のラブソングになっていて……。

丸本：そうですね。ここまでラブラブな感じは、初めてかもしれないです（笑）。ただ、せっかくの機会なので、そういうチャレンジをしてみたいという思いがあって。あと、この曲調だと、ラブソングといっても、あんまり失恋ソングっていう感じではないじゃないですか。歌詞のストーリー的には、藤林さんが考えてくださったものが結構入っているんですけど。

――友だちから始まって今は恋人同士という、ちょっぴり気恥しさの混じった関係性を綴った歌詞になっています。

丸本：私からは、あんまり出てこない発想ですね（笑）。というか、最初にその物語を提案されたとき、主人公の女性が実際の自分と結構違ったので、ちょっと戸惑ったところもあって。よくよく読むと、ちょっぴり小悪魔的なところのある女性というか、この女性はきっとモテるんだろうなっていう（笑）。なので、私もそういう女性になりたいなという思いで歌いましたね。