くるり、BUMP、アジカン……それぞれのアニバーサリーイヤーの動き

 ASIAN KUNG-FU GENERATIONは、2016年第2弾シングルとして、2004年に発表した自身の2ndアルバム『ソルファ』から「Re:Re:」を再録し、シングルカットしてリリース。同作のアートワークに『ASIAN KUNG-FU GENERATION presents NANO-MUGEN COMPILATION 2014』以来、約1年9カ月ぶりに中村佑介氏のイラストを起用し話題となった。加えて、13年ぶりにテレビ東京系アニメ『NARUTO-ナルト-』のテーマ曲を「ブラッドサーキュレーター」で担当し、「遥か彼方」、「それでは、また明日」に続く3度目のコラボが実現。今年秋には「Re:Re:」、「リライト」、「君の街まで」などが収録された『ソルファ』を再レコーディングしたアルバムのリリースも予定している。同作のリリースには、かつてから彼らが願っていたことをこの節目にやっと実現することができたという経緯がある(参考:https://twitter.com/gotch_akg/status/524885810940637184)。彼らの作品に対するこだわりを強く感じる取り組みとなった。

 また、15周年を迎えるORANGE RANGEも、ベスト盤となる再録アルバムを7月にリリースした。しかし、この作品は、これまでに培ってきた数々の縁、これから作り上げていく新たな縁をテーマに、15曲全てを違うゲストと再録を行い、縁ある人々と共に作り上げたコラボベストアルバムに仕上がっている。ゲストには、同郷の先輩バンド・モンゴル800や、メンバーが尊敬する高橋幸宏、これまでライブで共演してきたアーティストなどが名を連ねた。このような取り組みからは、ミクスチャーという自由な音楽性でブレイクした彼らの原点回帰的な発想が伺える。

 このように、それぞれのバンドが周年にあわせたさまざまな活動を行っている。しかしそれらは、単なるお祝いムードを盛り上げるものだけではなく、各バンドの今までとこれからを確認するものでもあるようだ。それぞれかたちで節目を迎え、次なるバンドの節目にむかって様々な活動を行っていく彼らの今後に、ますます注目していきたい。

(文=大和田茉椰)

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