Silent Siren、横浜アリーナ公演で果たした“ハッピーなリベンジ”

Silent Siren、横アリで果たした“リベンジ”

 本ツアーは、ライブハウスにはじまり、ホールを経て、アリーナを迎えた。初日のEX THEATER ROPPONGI公演は、シンプルなステージと演奏で、ロックバンドとしての本懐を見せつけた。ホール初日となった戸田市民会館公演からはカラフルなセットとビジョンが加わり、エンターテインメント性でも楽しませてくれた。そして、ここ横浜アリーナではさらにスケールの大きいライブショウを魅せてくる。

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 今回のツアーリーダー、演出/構成を担当したのはあいにゃん(Ba.)。「驚くと思う」「セットを運ぶトラックの数が今までで一番多い」と事前に語っていたが、「楽しませる」「楽しむ」ことに長けている彼女たちならではの趣向を凝らした演出は観るものを飽きさせない。

 オープニングで使用したトロッコに再び4人が乗り、客席へと繰り出して行く。4人それぞれが客席の目の前で演奏する「LOVE FIGTER!」。思わぬ距離で演奏するメンバーを前にサイファミは「L」「O」「V」「E」の振り付けを全力で応えていく。

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 「お家で寂しくて膝を抱えている子がいないように。サイサイのライブはたくさんの愛のある場所にしたいなと思います」すぅがそう語ると、ステージを囲むように紗幕が降ろされた。そこに水の映像が投影され、奏でられたのは「nukumor」。折り重ねられたシューゲイズサウンドが包み込むドリームポップ。浮遊する音とメロディに呼応するよう揺れ動く青の世界。それはまるで水槽を眺めているかのような情景で、〈少女は俯いた 水槽のなかゆらゆら揺れ泳いでる このブルーシクリッドみたい ここじゃなきゃ生きれないのに〉という詞とシンクロしていく。つづく「レイラ」では、内に向けた痛切な詞が歌声とともに手書きのタイポグラフィで綴られていった。誰もが持っているであろう心の奥底にある陰の部分を、揺らめく音と美しいプロジェクションマッピングの融合で体現したこの2曲のあいだ、どこか異次元の世界にいるような感覚に見舞われた。

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