嵐『I seek / Daylight』に見る、今年のサウンドの方向性 “嵐らしさ”はどこに向かう?

 そして、この曲のもう一つのポイントは、シングル表題曲としては久々に櫻井翔によるラップがフィーチャーされていること。「希望と信じ進む航路 方向示し続ける僕のノート」と、彼らしい言葉遣いの“サクラップ”も聴きどころになっている。

 以前にも評論家の矢野利裕氏との対談で触れたが、嵐の楽曲の音楽性には、ファンクやソウルなどブラック・ミュージック由来のものと、スウェーデンとのコネクションがもたらすヨーロピアン・ダンス・ポップの感性とが混在しているという特徴がある。(参考:嵐の楽曲はどう“面白い”のか? 柴 那典×矢野利裕がその魅力を語り合う)。そして、櫻井翔のラップもその個性を決定づけるキーとなってきた。

 そういう意味では「I seek」も「Daylight」も、それぞれの方向で“嵐らしさ”というものを体現するような王道の仕上がりの楽曲と言えるのではないだろうか。

■柴 那典
1976年神奈川県生まれ。ライター、編集者。音楽ジャーナリスト。出版社ロッキング・オンを経て独立。ブログ「日々の音色とことば:」Twitter

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