livetune+が見出した、ポップスとライブの新たな可能性「完璧である必要性はない」

livetune+が追求するポップスの可能性

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「<unBORDE>にはブランドとしての魅力がある」(kz)

ーー今回、デビューEPが<unBORDE>から出ることについてはどのように感じていますか。kzさんとしては中田さんやtofubeatsさんと、やのさんにとってはきゃりーさんと同じレーベルに所属することになりました。

やの:私は「unBORDEがいいな」と思っていたので、嬉しかったです。きゃりーちゃんやCAPSULEさんのように事務所が同じ人たち(ASOBISYSTEM)がいて、一番イケてるレーベルというイメージだったんで。

kz:<unBORDE>には武道館のようなところでライブをしている方も沢山いらっしゃいますけど、いい意味で気持ちがど真ん中のポップスを向いていないというか。「ちょっと外れているけど、よく考えてみるとポップスだった」というねじれがすごく好きなんです。tofubeatsや中田さん、神聖かまってちゃんのように知り合いも多い。あと、個人的には昔からパスピエが好きなんで、「彼らのライブをすぐに観に行ける。やった!」みたいな喜びもあったり(笑)。レーベルだけに限らず、曲を提供したアニメ作品もそうですが、「自分が関わっているもののファンである」ことって、僕は大事なことだと思うので。その中のひとつとして、<unBORDE>にはブランドとしての魅力がありますよね。ワーナーミュージック内の特殊部隊感があるというか(笑)

ーーまた、中田さんやtofubeatsさん、banvoxさんとkzさんが立ち上げたイベント「YYY(ワイワイワイ)」も第一回が開催されて、やのさんも出演しました。このイベントはクラブ・ミュージックとポップ・ミュージックを融合させるアーティストの中でも間違いのないメンバーが揃ったものになっていますね。

kz:最近中田さんは「下の世代と一緒に何かやりたい」というバイブスがあるみたいなんです。この間もtofubeatsのリミックスをやっていましたし、今回は僕も誘っていただいて。あと、バンボ(banvox)は少し特殊ですけど、中田さんも俺もtofubeatsも、ダンス・ミュージックを作りながらまったく関係のないポップスも作っている人間なので、「クラブを知らなくてもOK」みたいな雰囲気があるんです。昼だし、高校生とかも来ていて、(客層が)若かったよね?

やの:始まる前に並んでいる人たちもほとんど大学生とか。

kz:昼に高校生が来れるようなイベントで、「YYY」みたいな規模のものって意外とないので、そういうものを育てていける場所に出来たらいいなと思います。僕らがやってきたことって「クラブ・ミュージックっぽいけどクラブ・ミュージックじゃない」という部分があるんで、それを広げていきたいし、そこにbanvoxというフロア向きの素晴らしい曲を作るアーティストもいて。だから、別にDJにこだわらなくてもいいと思うんです。

ーーlivetune+としては15年の11月からライブをスタートさせていますが、今回の『Sweet Clapper』リリース以降のライブでは、どんなことをしてみたいですか?

やの:それはkzさんの人脈を使って……。

kz:人頼みかよ!(笑)。

やの:バンド編成でライブをしてみたりとか。あと、私はフェスをやってみたいですね。イベントって「人と人を結びつける」「その人の記憶に残る」ものだと思うんです。インスタのパネルを作ったりしても面白いし、色んな人を巻き込んで行きたい。

kz:正直まだ何も分からないところもあるんですよ。今回のEP『Sweet Clapper』を出してから、俺たちに何が出来るのか考えよう、という感じです。

ーー逆に言えば、「これから何でも出来る」ということですね。

kz:そうですね。だから、色々と探っていけたらと思っています。

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(取材・文=杉山仁/撮影=三橋優美子)

■リリース情報
『Sweet Clapper』
発売:2016年5月11日
価格:¥1,800(税込)
※初回限定盤にはボーナストラックが収録
<収録曲>
1. Restart
2. Sweet Clapper
3. Milky Rally
4. そふとたっち
5. スローペース
6. Jump Up
7. Darling Darling
8. Dance Beat Step <初回限定盤のみ収録>

■ライブ情報
「Eggs presents SAKAE SP-RING 2016」
6月5日(日) 名古屋・栄一帯のライブハウス&クラブ
詳しくはオフィシャルWEBサイト

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