Awesome City Club×CAMPFIRE家入一真対談 バンドとネットの関係はどこに向かう?

ACC×CAMPFIRE・家入氏対談

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「2020年に幕張メッセで、自分たちのフェスをやりたい」(PORIN)

――多様性が認められるようになってきたということですが、こと音楽に関してはどうでしょう?

PORIN:そうですね。「シティポップ」も音楽のジャンルというより、スタンスを含めた活動形態としてのカテゴリ分けに思えるので、そのあたりの垣根にも多様性がでてきたのかもしれません。音楽に付随したファッションやアートワークも含めて、一つのジャンルとして成立しているというか。

家入:確かに、音楽やアートという大枠のジャンル自体の垣根が溶けていると感じる瞬間もありますね。

マツザカ:そういえば、家入さんはミュージシャンのためのプラットフォームを考えたりすることもあるのでしょうか?

家入:ミュージシャンのため、とは違うかもしれませんが、運営していくなかで、「打ち上げ花火になってしまう」というクラウドファンディングの問題点に気付いてきて。本当はお金が集まったところから物語は始まっていて、支援者は活動報告を見るものの、あまり応援している実感は沸かないのかなと。だから、支援者と募集者がコミュニケーションできる、ファンクラブのようなものが作れないかなと思っているんです。

――Awesome City Clubはnoteを活用して、ファンクラブ的な使い方をしていますよね。

atagi:インターネット大好きバンドなんで(笑)。

PORIN:各々がSNSを使うのは下手だけど(笑)。noteで繋がってくれている人と、クラウドファンディングを支援してくれている人って、ほとんど一緒なんだと思います。

家入:なるほど、そうすると「クラウド(大衆)ファンディング」というよりも「ファンファンディング」なのかも。以前の対談で「Awesome Cityという町を作りたい」と話していましたが、そういった人たちを巻き込んだものになるのでしょうか?

PORIN:そうしたいですね。最終的にはCityにするんですけど、まずは渋谷にClubを作るところから始められたらと。実はこれに関しては目標がありまして。2020年に幕張メッセの大きいステージで、自分たちのフェスをやりたいと思っているんです。そこでは音楽だけじゃなくて、私たちの周りのアート集団やいろんなカルチャーを巻き込んでみたい。

家入:すごくいいですね。テクノロジーの分野も巻き込んでほしい。

PORIN:もちろんです。最近バンドの自主企画では、自分たちで考えてオークションのようなものや、MVをVRで体験できるブースを作ったりしているんですよ。

家入:フェスをやるのは2020年ですよね? ということはオリンピックイヤーだ。そこに合わせるからには、「オリンピック見るよりAwesome City Clubのフェス行く方が面白くない?」と言われるような場所になるといいですね。

PORIN:そのために、何かアイディアを一つください(笑)!

家入:そうだな……。僕、もともと運動ができないから、オリンピック自体好きじゃないんですよね(笑)。だから、運動のできない人に向けた小規模の裏オリンピックみたいなのがあればいいなと思います。

atagi:その感覚、わかります(笑)。クラスの中心にいて賑やかしてる人より、端っこでボソッと何かを言っていたような人が面白いカルチャーを作っている気がするので。CAMPFIREもそういう人が声を出しやすくなるツールだと思います。

家入:そうですね。インターネットの本質は「今まで声を上げられなかったような人が、ぼそぼそ声を上げられること」だと考えています。だから、Awesome City ClubがSound Cloudで音源をアップして、それが広がってここまできたという現象もそのうちのひとつだろうし、クラウドファンディングもTwitterでも同じ現象は起こっていますよね。クラウドファンディングをやっていると、「共感」という言葉がキーワードになるんですが、いまいちしっくり来なくて。代わる言葉を探していて「共犯関係」が一番近いのかなと。プロジェクトをやる人も、応援する人も、一緒になって何か1個を企むというか。きっとフェスも、参加者が主催側の気持ちで参加できるような関係性を作れたら、成功すると思いますよ。

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