SWANKY OCEAN ACOUSTIX、アコースティック界の“異端児”登場?「俺たちのフィルターを通すと、結局はパンクになる」

SWANKY OCEAN ACOUSTIXへ初取材

「コンセプトが違うぶんメロディや歌詞も自然と変わってくる」(KOHDY)

SWANKY OCEAN ACOUSTIX -Silver lining-【Official Video】

──アルバム『THE OCEAN』収録曲は先ほど話題に出た2曲以外の新曲は、今回新たに書き下ろしたものなんですか?

KOHDY:1曲目の「Silver lining」と2曲目の「Breeze」、6曲目の「水平線」は夏をイメージしながら作った新曲たちで、3曲目の「Mamorihosi」はSWANKY DANKの「守り星〜The Treasure〜」(2012年10月発売のミニアルバム『The Love Was Gone…』)をリアレンジしたものです。

──なるほど。SWANKY OCEAN ACOUSTIXとしての曲作りはSWANKY DANKで制作するときとは、違いはありましたか?

KOHDY:ちょっと違いましたね、歌詞も日本語が多いですし。あと、SWANKY DANKは俺たちが今カッコいいと思うことを表現するバンドで、OCEANは夏をテーマにしているので、コンセプトが違うぶんメロディや歌詞も自然と変わってくるんです。

──特に本作は夏の中でも晩夏というか、夏が終わりゆく切なさが感じられて。しかも歌詞の世界観やちょっとした言葉遣いにしても、絵が浮かびやすくて映画的。そこがSWANKY DANKとは違うなと。

KOHDY:それはすごく嬉しいですね。

YUONE:歌詞も夏のワチャワチャした感じというよりはシリアスなものが多くて。聴いてくれた人がただ楽しいだけじゃなくて、いろんなことを感じてくれることをイメージしながら日本語多めで歌詞を書いたんです。OCEANは芯の部分が真面目というか、肩の力を抜いて聴いてほしいですね。SWANKY DANKのほうはやっぱりテンションを上げたいときに聴いてほしいけど、OCEANのほうは何かをしながらBGM的に聴いてもらってもいいし。だから後で曲を聴いて「あのとき掃除してたな」とか「ごはん作ってたな」とか、日常の思い出に残るようなアルバムにしたいというか。

──メロディの節回しだったり、ちょっとした組み立て方もSWANY DANKとは異なりますよね。これは普段とは違う楽器によって引き出された部分もあるんでしょうか?

KOHDY:ありますね。それにOCEANの曲はノリが跳ねてる感じなんで、メロディもそれに付随していつもとはちょっと違う譜割になったり。

YUONE:あとは音数が少ないぶん、歌のニュアンスも伝わりやすいし。バンドだとタイトに歌わなきゃいけないところも、OCEANでは少しユルい感じにできるのも面白くて。

「アイデアを出し合って、遊びながら作れた感じは強い」(TACO)

──同じメンバーで演奏しているので、ノリの部分は一貫してるのかなと思うんですが、楽器の編成や曲調によって変わってくるものなんですか?

YUONE:例えばドラムとボンゴでは叩き方もまったく違うし、ギターもエレキとアコギとでは違ってくる。そこにウクレレとか今まで使ったことのない楽器も入ってくるので、グルーヴ感はSWANKY DANKとは違った感じになると思いますよ。

──なるほど、楽器の組み合わせによって変わると。それにしてもウクレレが入るというのは、SWANKY DANKからしたら異色ですよね。

TACO:ですよね。テーマが夏だったので、ウクレレみたいに夏っぽい音を入れたいと思って。最初はレコーディングで使う予定はなかったんですけど、進めていくうちに「やっぱり入れたいね?」って話になったんです。でも俺、ウクレレはまったく弾けなかったんですけど、1日だけ超練習して臨んで。実際いいスパイスになったかなと思ってます。

──アコギと重なることで、今までになかったハーモニーが感じられますよね。

TACO:そうですね。それによってまた双方のフレーズも変わってくるし。

YUONE:そこで、お互いからインスパイアされるものも多かったですね。逆にこれはいらないねという、引き算的な考えもできるようになったし。

──リズムに関してはどうですか? 普段のパワーや勢いで表現するドラミングとは異なるわけじゃないですか。

ITI:今回はボンゴとかカホンとか使ったことのない楽器ばかりだったので、そういうところではちょっと苦労しましたね。

YUONE:手がパンパンに腫れてたもんね。

ITI:でも夏といったらボンゴの騒がしいイメージがあったので。で、その使いたい楽器を全部集めた結果、後で引き算することになっちゃったんです(笑)。

4人:(笑)。

KOHDY:でもカホンにペダルをくっ付けて、ペダルでバスドラ代わりに叩いて、こっちでボンゴを叩いたりして、面白いリズムになってるんじゃないかなと思いますよ。たぶんボンゴを極めてる人たちはこういう発想にはならないだろうし。

ITI:ど素人だからこそ生まれた組み合わせというか。ボンゴだけだとちょっとリズムに物足りなさがあって、そこにカホンのキックの音が入ることによってもっとずっしりするんです。

KOHDY:バンドっぽくなるよね。

ITI:うん。単なるアコースティックじゃなくて、バンドに寄せた感じというか。実際にライブで演奏することを踏まえてやっていたんで、そういう意味ではいろいろ機材を調べることも楽しかったです。

──音数を減らしつつも、バイオリンの音も入ってますしね。

ITI:みんな、レコーディングのときに聴き入っちゃったよね。

YUONE:バイオリニストの方から「これでいいですか?」って聞かれて、どう返事していいのかわからなくて。誰も「大丈夫です」以外言えないっていうね(笑)。

KOHDY:そういう意味でも楽しいレコーディングを通じて、いいアルバムが完成したなって気がします。

TACO:アイデアもたくさん出し合って、遊びながら作れた感じは強いです。

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