KAT-TUN、逆境で見せた「たくましさ」 田口脱退表明後の出演番組から読み解く

 番組の最後では、今回のライブツアーに来た多くのファンからのメッセージを受けて、亀梨和也が結成からこれまでの色々あった10年を支えてくれたファンの存在に感謝しつつ「時間を進めていかなければならない」と噛みしめるように語る場面もあった。

 この言葉を聞いて、『タメ旅』の最終回を私は思い出す。

 何も知らされずヘリに乗った4人は、「東京を空から見るタメの旅」に出る。フジテレビ、TBS、NHKなどなじみの場所や東京タワー、明治神宮、東京スカイツリーなどの名所をめぐった後、400人のファンがボードを掲げて地上からKAT-TUNに向けてサプライズメッセージを送った。その言葉は、「KAT-TUN 充電だよね?」、そして「放電するなよ!!」。最後の最後にこの番組らしく、ファンからのいじりである。しかしこれからのKAT-TUNに対して、これ以上の愛情のこもったはなむけの言葉もなかっただろう。

■太田省一
1960年生まれ。社会学者。テレビとその周辺(アイドル、お笑いなど)に関することが現在の主な執筆テーマ。著書に『中居正広という生き方』『社会は笑う・増補版』(以上、青弓社)、『紅白歌合戦と日本人』『アイドル進化論』(以上、筑摩書房)。WEBRONZAにて「ネット動画の風景」を連載中。

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