Mardelasが示したヘヴィメタルとバンドの未来 キネマ倶楽部ワンマンをレポート

Mardelas、キネマ倶楽部ワンマンレポート

160329_ma_2.jpeg

 

 後半戦は、DESTROSE(過去にマリナが在籍)時代の曲をリメイクした会場限定シングル収録曲が連打され、その後、今年6月に2ndアルバム『MardelasⅡ』をリリースすることを発表。タイトル未定の新曲もいち早く披露し、そのドラマティック・スピード・メタル的要素を含むナンバーはオーディエンスの期待を高めたはず。

 ギター・ソロやドラム・ソロ、Yumiによる怪談風味(?)の漫談、メンバーの私物プレゼント・コーナー、メンバーから樹京への誕生祝いなどもある盛りだくさんな内容となったこの日。そして、最後の曲であるアンコールの「Sword of Avenger Ⅱ」でマリナは舞台下手の高い位置にあるバルコニーに上がり、hibikiはフロアに降りてオーディエンスの間を歩きながらプレイする熱演を見せる。とにかく全編通してメンバー自身が楽しんでおり、それは観る者にも伝播するのだ。
 少女の無邪気さと大人の妖艶さを併せ持ち、独自のボーカリゼイションを誇るマリナをあくまで中心に据えつつ、同時にそれぞれのポジションで自己主張は欠かさない楽器隊…という絶妙なバランスでMardelasが形づくられていることが分かるライブだった。

 もちろん、このバンドの大きな魅力として、“正統的なメタルの旨味やカッコ良さを分かりやすく伝えてくれる”ということがある。ギター・リフひとつとってもそう感じるのだが、終演後にそれを樹京に言うと、“この文化は絶やしちゃいけないと思ってるんです”と熱っぽく話してくれた。それぞれが過去に様々な経験をして学んできたからこそ、メンバーは自分たちがやるべきことを把握し、強い志のもとMardelasを動かしている。1stアルバムのリリースから約1年の間で得た糧が今後にどう生かされていくのか、ここからが勝負であり、その未来を見守りたい。

(文=早川洋介/写真=TAPPEI)

■リリース情報
『MardelasⅡ』
発売:2016年6月15日(予定)
価格:¥3,000(税抜)

■ライブ情報
「PURE ROCK JAPAN LIVE ~EXTRA vol.3~」
5月29日(日) 東京・渋谷club asia (c/w Mary’s Blood)
※チケットはイープラスにて発売中
http://eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002183373P0030001

■Mardelas オフィシャルサイト
http://mardelas.com/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ライブ評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる