Mrs. GREEN APPLEと[Alexandros]の“共通点”とは? 親交あるメンバー3名による特別対談

ミセス大森&若井×アレキ白井特別対談

「『ちゃんとついて来れたらメジャーデビューできるよ』と誘った」(大森)

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――プレイスタイルや曲に対するアレンジについてのこだわりはいかがですか?

白井:立ち位置的に似てるところはあるんですね。ボーカル/ギターが作詞・作曲をやって、それに対してのギターで。特に似ているのは、高校の同級生なんですよ、川上洋平(Vo&Gt)と俺って。ミセスの2人にはそういった類似点もあったりして、シンパシーを若干感じたりするんです。ギターアレンジをする時って、どういうふうに進めてますか?

若井:5人組なので兼ね合いがすごく難しくて…キーボードも入ってるし、その上にまたリードギターを入れて…グチャグチャにならないようにということは、結成当初苦戦してましたし、今もちょっと苦戦しています(苦笑)。[Alexandros]さんも最近、シンセサイザーを取り入れてますよね。

白井:そうですね。打ち込みやキーボードを入れてます。サポートの人には作曲のときから参加してもらって。アレンジ面でもキーボードが入ると、リードギターとしての考え方を変えて、それらの音色と共存していかないといけないんで。俺が一番大事にしてるのは、洋平の世界観、彼がどう思っているのかを早く察知するというところですかね。彼の頭の中は今どうなっているのか? ということを一旦わからないと共感もできないし、アイデアも出していけないから。率直に聞いたりもするし、雰囲気で受け取ったり。まぁ9年やってるし、一緒に住んでたりもしたんで(笑)。それでもわからないものはわからない。もちろん自分のこだわりもあるから、そことのぶつかりも多いですよ。ないですか? そういうの。

若井:「こう弾いてほしい」って言われた時に、「それ、弾けねえわ~」ということはけっこうありました、今回の『TWELVE』でも。自分の引き出しにないものを要求してきた時は顔がひきつりますね(笑)。

大森:「藍(あお)」って曲があるんですけど、それは全編ずーっとタッピングなんですよ。

白井:もともとタッピングする人ではない?

若井:そんなにしないです。今回、新たに挑戦してみました。

白井:うちも似たようなもんですね。(川上が)ギター/ボーカルなんで、ギタリストと思っていると、ギタリストライクじゃないことがいきなり飛んできて、「えっ?」って思ったりしますよ。「自分で1回弾いてみ?」って思う。やっぱ同じ悩みを持ってるっていう(笑)。

――ひらめき型のフロントマンですね、両バンドともに。

若井:大森は曲を作る時、頭のなかで鳴ってる音をそのまま落としこむタイプなんで。「ギターでこの音鳴らせるのか?」と思うようなアレンジをデモで入れていたり。たまにギターが入っていなかったり。ギターのソロなんだけど、「ちょっとバンジョー風に弾いて」とか。

白井:でも無茶ぶりがギタリストを成長させるんだな、と思いますよ。特に俺はギターじゃないところから入って1からやってるし、「ブルースが基礎にあって」とかそういうのじゃない、あんまりギタリストライクなところから始まってないんで、[Alexandros]風のギターなんですよ、ベーシックが。そういう無茶ぶりを越えて得てきたものもいっぱいありますし。全然ありがたいと思ってやってますね。だから、元貴くんもガンガン言っていいんだよ(笑)。

大森・若井:(笑)。

――ミセスの場合、大森さんが中学時代に若井さんをバンドに引っ張って今、ここまで来てるという事実がありますね。

大森:そうですね。別にコネも何もなくて、メジャーデビューを…中学校の時ですよ? しようと思ってるから、「すっごいめちゃめちゃなこと言うし、おかしなこと言うと思うけど、ちゃんとついて来れたらメジャーデビューできるよ」って言って誘ったんです。

白井:すごいですね。そして、実現してるという(笑)。

大森:アホだったんですよ。それを信じてきてるんだから、いい意味で(笑)。ほんとに頭よくて、ちゃんと自分の足元を見つめてる人だったら絶対ついてこないし。いろんな人達と音楽やった時期もあるんで、やっぱみんなついてこないというか、衝突しちゃうんですけど。そこの部分で若井は優しさもあり、僕の思いを受け入れてくれた人なのかもしれません。

―そういうところも似てません?(笑)

白井:うちもまったく同じこと言ってたんで。

大森:ええっ?

白井:うちは「世界一、世界一」って入る前から言ってて。俺が入ったのは23とかもうちょっと後なんですけど、その時もそれこそ、ほんとにコネもないし、なんにもなかったんだけど、「俺らがやってることは絶対かっこいいし、入ったら世界一になるから」って言って誘われましたね。当時のメンバーは今はもうヒロ(Bs.磯部寛之)しかいないんですけど、俺が入る時にはヒロはもう同じ気持ちを共有してたんで、バンドはそれで固まってたんです。まあ、うちはそこからが長かったですけど。

――では、ギター/ボーカルとギタリストの関係という意味ではいかがですか?

大森:僕はギタリストとしての自覚はあまりないという(笑)。

若井:いい意味でギタリストとしての自覚がないからこそ、出てくるフレーズがあって。それは自分にないところなので、いいなぁとは思いますね。

大森:スケールわからないんで。頭のなかでこういうのがあったらいいなと思って、指で触っていって、頭の中で鳴ってるものをアウトプットする作業ですね。

白井:スケールを知ってる強さもあるけど、知らない強さもありますよ。

大森:スケールは、若井が勉強してくれました。言ったんだよね? 中学の時に「絶対、スケールわかんないから、勉強しといて」って(笑)。

白井:うちも一緒で、洋平はスケールとか理論が全然わからないから、そこをみんなでカバーするというところで、たぶん似てるところはあるんですよ。髙野くん(Bs.髙野清宗)とかその辺、超強いじゃないですか?

大森:髙野は辞書ですから(笑)。楽典ですから、あれが。

白井:理論を知らない人は道を外れていくんで、そこに歯止めというか、「こういう道もあるよ」っていう提案ができる人がいる強みは絶対ある。それを無視していくのもアリなんですけど、それを知った上で直すのもいいし、そういった選択肢を増やしてくれるって意味では、やっぱり理論を知っている人が一人いるかいないかはデカイかもしれない。

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