L-m-T&イワツボコーダイ、若手音楽作家が語る“コライトの利点” 「1人で喜ぶより、2人、3人でハイタッチするほうが嬉しい」

若手音楽作家が語る“コライトの利点”

 

「どんどん立ち止まらずに作っていくことが重要」

――では、みなさんが、実際にプロとしての一歩を踏み出したきっかけを教えてください。

GRP:大学時代に、ラッパーやシンガーと一緒にチームを作って、借りた一軒家に集まって創作活動をしていたんです。その時に自分のお金でパソコンを買ったのですが、プロの方に「ちゃんとしたパソコンを買ったほうが良い」と言われて、初代のMac Proを勧められました。当時は70万弱だったので、「高いですわ」と返したら、その方から「自分の将来に投資できないやつが、どうやって金を稼ぐんだ」と怒られました。僕もそれにカチンときて、見切り発車でローンを組んでMac Proを買ったんです。そこからいろんな音楽を作って、Spontaniaと知り合い、彼らの楽曲を手掛けたことがメジャーアーティストとの初仕事となりました。でも、彼らとの仕事もスムーズに決まったわけではなくて、曲を送り続けてようやく念願叶ったという感じだったんです。

イワツボ:その頃って、メールで送り続けてた?

GRP:いや、データですね。トラックの入ったCDとメールアドレスの書いた紙をセットにして、他の方にもクラブで渡して。でも、ある人からはわざわざメールで「才能無いで。音楽辞めたほうがいいんじゃない?」と言われたりして凹んだときもありました。まあ、実際その時はリクエストにしっかり応える力が無かったのだと思います。

KAY:「イメージが出来ても、それを再現できない」って言うてたよね。DTMも自己流やったし。

――そこから抜け出した瞬間というのはあったのでしょうか?

GRP:とにかくひとつひとつ、ダメ出しされた部分を潰していくしかなかったですね。それは現在も変わらないかもしれません。

KAY:僕は、苦労を感じた瞬間はないんですよね。というより、苦だと思うようになったら、音楽を嫌いになりそうな気がするんです。だから、なるべく良い距離感を保っておきたくて。産みの苦しみは多少あるけど、長く続けていくためにあまり強烈に追い込んだりもしません。

イワツボ:こういう仕事って、1人でずっと作ってるから、精神的にうまい方向へもっていかないと、心を病んじゃうと思うので、KAYくんの考え方はキャリアを継続させるための一つの方法だよね。

GRP:正解がないからね。今作っているものが良いか悪いかは、自分の判断だけではわからないし。ただ、完成まで作ったものに自信を持つことができれば、ダメだと言われてもなんとも思わなくなります。今は音楽業界の移り変わり自体も早くて、1曲作って送って、そこからじっと待つような時代でもないですし、どんどん立ち止まらずに作っていくことが重要だと思います。

イワツボ:考えすぎたら、やっぱり大きく踏み出せないよね。その辺りも上手く考えられる人が生き残っていくと思う。

――3人の共通点として、複数回コライトを行っていることが挙げられますが、先ほどの産みの苦しみは、やはり複数人で作業すると解消されるものでしょうか?

KAY:これはもう、100%解消しますね。

GRP:いや、180%やろ(笑)。自分にない才能を持っている人から面白いアイディアを貰えるので、「こうなるか!」みたいなワクワク感を常に貰えます。

イワツボ:そうですね。それに、決まった時や、世に出たときに、1人で喜ぶより、2人、3人でハイタッチするほうが嬉しい。もちろん金銭面を考えると1人のほうが良いでしょうけど、やはり寂しい部分もあるんですよね。まあ、最初は抵抗もありましたが。

後編【「音楽だけで食べていこうというのが、正解という時代でもない」 L-m-Tとイワツボコーダイが予測する音楽作家の未来とは?】へと続く

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