BENIがたどり着いた、“飾らない”という表現方法「無駄なことを引き算して届けたかった」

BENI、“飾らない”という表現方法

「昔があったから今があると思える変化があった」

BENI「BFF」

――リスナーが、友情というテーマに反応したということが今の時代の空気というところもあるのかなと思いました。ポップミュージックはどうしても「恋」のテーマが多くなりがちですが、少しずつ変わってきているのかなと。

BENI:「愛」の形がたくさんある中で、単純に「恋」以外でスポットが当たる曲が増えている気はします。自分もそういう気分でしたね。今年友達に久しぶりに会ったことがきっかけで「BFF」という曲も出来ました。これは「フォエバ」以上に友情にフィーチャーして、自分自身のストーリーを書いています。女の子同士の友情をストレートに表現した曲です。

――「BFF」(Best Friend Foreverの略)はよくインスタグラムなどで使われるワードですが、BENIさんにとっての「BFF」はどんな存在でしょう。

BENI:私の「BFF」は中学高校がずっと同じだった4人組です。みんなそれぞれ全然違う人生を歩んでいて、会う機会は1年に数回。でも、会うとタイムスリップしたような感覚で一緒に過ごせるんです。そういうのってすごく貴重で大切だと思っていて。歌詞のとおり「80歳になってもよろしくね」と本気で思っていますし、そういうリアルなところからスタートしたおかげでいい歌詞が書けました。

――そういったパーソナルな部分も歌にするというのは、勇気のいることでもあるのでは。

BENI:今回アルバムを改めて聴いて、自分は大人になったのかなと。昔があったから今があると思える変化はありました。以前は最先端を意識して、常に新しいことをしたいと思っていました。誰もやっていないことや「私は人とは違うんだ」ということばかりにフォーカスしていたかもしれません。今は周囲の支えの大切さなど、そういうところに目が行くようになったし、それを実際に伝えたいと思うようになりました。

ーー「PAPA」という曲も今のBENIさんだから歌える曲だったのでしょうか。

BENI:10年前は絶対歌えなかったです。父との関係は複雑だったというか、仲が悪かった時もありますし。それを越えて、今は偉大な存在だと思っています。お母さんをフィーチャーすることってこれまでもあると思うんですけど、お父さんは影のヒーローというか。頑張っているからもっとフィーチャーしてあげたいなと。みんなも感謝の思いを伝えたくても照れくさくてなかなか言えない存在だと思うんで。そういう歌をみんなのために代弁して作りたかったんです。

――これも大きな反響があったようですね。

BENI:ありました! リリックビデオで使う写真を募集したら、びっくりするくらい来て。わざわざ探してくれるくらい、みんなアピールしたいけど、なかなかタイミングがないんだなと思って、なんだか嬉しくなりました。そして思ったのがお父さんとのベストショットスポットはお風呂なんだなって(笑)。いいお風呂ショットがたくさんありました。

――今作は、あまり歌にしてこなかった感情や関係がたくさん歌われた作品のように感じます。

BENI:やっぱり歌ってパワーがあると思っていて。「PAPA」にしても、パパと昔の写真探そうよ、という会話のきっかけになるかもしれませんし。ちょっとでもきっかけが作れたらいいなと。私も数々の楽曲に影響されて心動かされてきたので、みんなの心が必要としているようなメッセージや言葉をこめた歌を作り続けたいと思います。

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