V6・坂本、NEWS・手越、関ジャニ∞・丸山……ジャニーズで増える“ハモリ職人”たちの歌唱法

関ジャニ∞・丸山隆平

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(C)タナカケンイチ

 関ジャニ∞といえば、渋谷すばるのカリスマ性溢れるボーカル、何でも器用にこなす安田章大の音楽スキルが取り沙汰されることが多い。しかし、「ハモり」という点で見るとメンバーの丸山隆平が突出していると思う。TVやライブのMCなどで大きな声を出しながらワイワイ騒いでいる姿からは想像しにくいが、丸山は少し鼻にかかる丸みのある高めの声質だ。そのため、リードボーカルの上をハモるパターンが多い。注目したいのは、丸山自身がリードボーカルをとる時とコーラスを担当する時では、明らかに歌い方を変えている点である。リードボーカルの時は声に感情を出したり、ダイナミクスを意識的に付けたりしているのに対し、コーラスの時はビブラートもしゃくり上げも一切していない。淡々と一定に歌っているのだ。コーラスのテクニックとしては当たり前なのことなのだが、実際にやろうとするとなかなかできることではない。しかも丸山は意識的か無意識か、リードボーカルを歌うメンバーの声質に合わせて声質を変えている。例えば、渋谷の時はやや強めの声で、安田の時は“High”の部分を意識した声で、といった具合だ。常に周りに気を配り、一人ひとりを良く観察している丸山だからこそできるコーラス方法ではないだろうか。

 これまで、ジャニーズは「ユニゾン」を得意としてきたが、最近ではハモりを入れているグループが増えている。時代のニーズに合わせて少しずつ変化を遂げてきたのであろう。その流れの中でグループを支えるのが、彼ら“ハモり職人ジャニーズ”たちである。「歌唱力がある」と評価されているジャニーズメンバーに比べて、優しい歌声が多い彼ら。その優しく美しい歌声に酔いしれながら、曲を聴いてみるとまた違った魅力が発見できるかもしれない。

(文=高橋梓)

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