5SOS、Union J、JTR……ネクスト「ワン・ダイレクション」の座に着くのはどのグループ?

スウェーデン編

 “ネクスト1D”を調べているうちに、該当するグループがイギリス本国よりも北欧、特にスウェーデン周りに多いことがわかった。ここからはスウェーデン出身のアーティストを数組ピックアップしたい。

 ここ最近日本で活発な動きを見せているのは、“スウェーデンのイケメン三兄弟”というキャッチフレーズが定着しつつあるJTR。彼らは先述の『X Factor』にも出場しているほか、2015年にはヨーロッパ最大の音楽コンテスト『Eurovision Song Contest』のスウェーデン代表を決める『Melodifestivalen』で決勝進出。『Eurovision』で優勝したMansに惜しくも敗れてしまうが、8月に日本でリリースした『Oh My My』が、カーディガンズに代表されるスウェディッシュでポップな音楽性と、3兄弟でいずれもイケメンという容姿という要素から、ボーイズ・グループファンに厚い支持を受け、来日プロモーションには多くの観客が訪れたという。なお、この記事で紹介するグループの中では、とりわけアジア圏の人気が高いことも特徴的だ。

JTR - Oh My My

 また、JTRはSEKAI NO OWARIの「Dragon Night」をカバーしてYouTubeに投稿するなど、日本向けの施策も数多く行っており、これもまた日本人気の高い理由なのではと推察する。

SEKAI NO OWARI - Dragon Night JTR Cover #JTRontheroadtoJapan

 続けてスウェーデン勢で紹介したいのは、2013年にJustin Bieberの『Believe Tour』において、同国公演でオープニングアクトを務めた4人組・The Fooo Conspiracy。いずれも20歳に満たないメンバーが生み出す踊れるポップナンバーは、スウェーデン本国での人気が高く、数多くの音楽的な賞を獲得している。

The Fooo Conspiracy - Build A Girl @Skrapan - Stockholm

 また、昨今のEDM人気を受けて、その辺りにもしっかりフィットする楽曲を作り、Justin Bieberファンにもうまく受け入れられるようにしたというディレクションの上手さにも感心せざるを得ない。

The Fooo Conspiracy - King Of The Radio @Hötorget - Stockholm

 最後はカバー曲でその人気を着々と伸ばしつつある4人組・Dot SE。彼らはMiley CyrusやOne Direction、5SOSなど、他アーティストのカバーを継続的に投稿し、YouTubeを中心にカバーアーティストのファンなどに発見され、若手ながらスウェーデンのボーイズ・グループでは上位に食い込む再生数を記録している。それほどオリジナルのほうは伸びていないが、これからじっくりファンの母数を増やし、新作の発売を機に日本へ上陸する可能性にも期待したい。

Miley Cyrus - We Can't Stop (Official cover by Dot SE)

 以上、数あるボーイズ・グループの中から数組を紹介してきたが、音楽性や日本のファンの動きを見るに、北欧系のグループがこれからマーケットを作っていくのかもしれないと感じた。そうなると現状“日本におけるネクスト1D”に一番近いのはJTRということになるのだろうか。

 今後、北欧系のグループが日本でどのように浸透していくかは、JTRが11月25日にリリースする新作『Centre Of Everywhere』の経過を見守りつつ、引き続き“ネクスト1D”たちの動向を追いたい。

(文=中村拓海)

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