AKB48、乃木坂46、GALETTe…アイドル界でなぜ“セカンドキャリア組”が増えている?

 さらに「アイドルファンの数が増えたこともその原因」と同氏は続ける。

「例えば既に世間的にも人気のあるグループにインディーズ系アイドルグループの元メンバーが加入したとしても、前グループ経歴を知らないファンの方が大半、という状況になります。また、例えば大手事務所が何十万、何百万のファンを獲得するような“売れる”アイドルを作ろうとした場合、『数百人のファンを持った子が入ってきたとしても気にしない』と考えることも推測できます」

 最後に同氏は、アイドルファンが増加したことで、人材移動がネガティブなだけではないものに変わっていった側面もあるのではと推察した。

「昔はアイドルファンの数自体が少なく、同じ規模感のグループ同士で人材が回った場合は、ネガティブなイメージがどうしても付きまとうことになりがちでした。ただ、『TOKYO IDOL FESTIVAL 2015』の入場者が5万人を超えたように、新規のファンが増加している近年のアイドルシーンにおいては、有力な人材がどんどんキャリアアップしていくことが、前述した数々の理由から、決してネガティブなだけではない側面を持っているように思います」

 経験者の人材増加により、演者とファンがさらに増え続けるアイドルシーン。この価値観が当たり前になった先には何が待っているのか、今後も経過を見守りたい。

(文=向原康太)

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる