セカオワの新曲「ANTI-HERO」は世界のスタンダードになる? リズムを刷新した渾身の一曲を分析

 歌詞に関しては、これまでの共通したテーマを英語詞にしつつ、深みは増していると同氏は語る。

「同曲は、ヒーローと悪役を題材にして、善と悪は二元論で語れないということを示しています。セカオワはこれまで“戦争と平和”や“正義と悪”というテーマで楽曲を多く手がけており、直近だと『Love the warz』がその系譜にあたるといえますね。ただ、『Love the warz』に比べても、ここまでドープなサウンドだと、歌詞にも深みが増して説得力が生まれる。軸や核心は変わっていないのに、見せ方が一段も二段もバージョンアップしたことがはっきりとわかります」

 最後に同氏は、Fukaseの歌い方について、現状のポップシーンを絡めてこう述べた。

「今回、Fukaseはネイティブレベルの英語の発音を目指し、ケイティ・ペリーやブリトニー・スピアーズ、アウル・シティーなどを手がけるボーカル・プロデューサー、エミリー・ライトとともに徹底的にボーカルトレーニングに励んだそうです。その結果がはっきりと歌に表れています。現在、海外でも活躍しているバンドの2強であるセカオワとONE OK ROCKは、ともに英語の発音がネイティブレベルで『日本のポップシーンで英詞を歌うなら、今はここまで洗練させないとダメなんだ』ということを証明したのではないでしょうか」

 世界仕様の楽曲で、国内と海外のリスナーに射程距離を広げたSEKAI NO OWARI。この楽曲を機に、ワールドワイドなバンドへと成長することを期待したい。

(文=編集部)

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