ついに発表『Apple Music』の注目点とは? “音楽との出会い”を重視するApple社が目指すもの

 また、「どこが生き残るのか」という論争について、同氏は「音楽の楽しみ方のすべてを一つにというのは難がある」とした。

「さまざまなサービスにお気に入りのプレイリストが点在しているのはナンセンスかもしれませんが、『Spotify』『Google Music』『Tidal』『SoundCloud』はそれぞれに共存の道を辿ることとなるでしょう。音楽サービスは無限の機能と特徴があり、それらをスタンドアローンのアプリに完結させるのは難しいからです。ただ、AppleがiPhoneとiOSを作っている、すなわちプラットフォーム自体を作れるという前提があるため、大きなアドバンテージを握っているといえます」

 最後に、同氏はアプリを使って音楽を聴くリスナーの傾向を踏まえたうえで、今後のApple Musicについての期待を述べた。

「ある程度の層や音楽に対してアンテナを張っている方は、月額費用を支払って、Apple Musicを通して音楽を聴くことになるでしょうが、大事なのはいかに一般層に浸透させるかどうかです。現状、App Storeのランキングのトップにあるようなグレーな無料アプリで満足しているユーザーは少なくありません。『音楽にお金を払う』という感覚・習慣を身に着けさせることが当面の課題となるでしょうし、それを解決するのは、もしかするとアーティストと繋がることができるオリジナル機能『Connect』なのかもしれませんね。日常的に音楽を楽しんでもらうこと、お金を払ってもらうこと、そして新たな作品の創造に繋げていくことが、ビッグプレイヤーの使命だと思うので、健闘を祈りたいです」

 今回の発表でますます大荒れとなった音楽ストリーミング商戦。Apple Musicの日本上陸はあるのか、また一般層への浸透は可能なのか。引き続き各社の動向を見守りたい。

(文=編集部)

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