Superflyが変化の中で見出した、表現の原点とは?「生きてる喜びを、高らかに大きな声で歌いたい」

「周りの人たちが生き生きしていたら、私も燃える」

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ーー収録された14曲のうち、12曲は蔦谷好位置さんが編曲を担当していて。蔦谷さんとの関係にも変化があったんでしょうか?

Superfly:いままで以上に濃く入ってもらいましたね。このアルバムでSuperflyは激変すると思ったので、それを整えてもらいたかったというか。あとポジティブに受け身でいたかったんですよ、今回は。だから、周りの人の意見もいっぱい聞きました。“いまのSuperflyは誰とコラボしたらおもしろい?”とか、そもそもSuperflyはどんなふうに見えていて、どこに可能性を感じてるのかな?とか。そういうことが自分ではわからなくなっていたし、みなさんの話をたくさん聞けたこともすごく良かったですね。

ーー楽曲についてもいくつか聞かせてください。何といっても最高だったのは、Chirs Cester(JET)とのコラボレーションによる「A・HA・HA」「脱獄の季節」。どちらも海外のインディーロックの流れを感じさせる楽曲ですが、とにかくぶっ飛んでるし、本作におけるSuperflyの変化を象徴してますよね。

Superfly:私も「A・HA・HA」がいちばんぶっ飛んでると思います(笑)。以前、JETといっしょに『i spy i spy』(Superfly×JET)をやったときもすごくおもしろかったんですよ。自分たちのレコーディングスタイルとはぜんぜん違っていたし、異文化交流みたいな感じで。また新しい刺激をもらえないかなと思ってお願いしたんですけど、やっぱりおもしろくて。この曲に関しては本当に“染まった”という感じなんですよね。ふだんは“こういうふうに歌おう”って作戦をしっかり立てるんですけど、「A・HA・HA」はクリスにはっきりと思い描くものがあったみたいなので言われるまま、“はい、やります”って。普通だったらもっと音程を合わせるんだけど、“それはやめてほしい”って言われたので、全力で音程のない歌を歌いました(笑)。

ーーBONNIE PINKさんが作詞作曲を手がけた「Woman」については?

Superfly:ずっと尊敬しているアーティストで、ずっと“いつか曲を書いてほしいな”って思っていたんです。去年の年末にごはんをご一緒させてもらって、緊張したんですが直接お願いして。そのときも“Superflyのことは意識しないで、等身大で曲を書いてほしいです”ってお伝えしたんです。私としては、それを演じるように歌いたかったので。

ーー「Woman」のメロディは確かにBONNIE PINK節が強く出てますよね。

Superfly:ボニーさんのルーツの部分が出てるんじゃないかなって。最初は“メロウで胸キュンの曲が来るのかな”と思ってたんですが、意外にも力強いものを作ってくれて。ボニーさんの可愛らしさ、タフさがぜんぶ入った曲だと思いますね。“子宮で考えた答えで正解”なんて歌詞、私には絶対に書けないですから。もっと人生経験を積めば、こういうことも言えるようになるのかな…って思ったり。歌うときは、あまり自分に寄せ過ぎないように意識してました。それよりもボニーさんが見えたほうがいいなって。

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ーー曲を作った人の顔が見えるようにしたかった?

Superfly:書いてくれた人の得意なところだったり、個性がハッキリ感じられたほうがいいと思ったんです。中田裕二さんに書いていただいた「リビドーに告ぐ」もそうですね。この曲メロディを聴かせてもらったときに、花の強い香りをイメージしたんですよ。女性の髪が揺れる絵が浮かんできたし、その残り香はユリみたいに甘くてキツイ香りなんだろうなって。だから、歌詞の方向性も変えてもらったんです。最初は爽やかな雰囲気だったんですけど、もっと中田さんのイメージが感じられるエロスがあるものがいいな、と。他の方もそうですけど、みなさんの個性が強いものを歌ったほうが、自分のエネルギーもさらに引っ張り出してもらえると思いました。

ーー「Superflyという素材を使って、楽しんでください」みたいな?

Superfly:そうですね(笑)。そういうほうが性格に合ってるんですよ、もともと。たとえばバンドメンバーに対してもそうで、私を良く見せたいとか、声が聴こえないから、音を下げてほしいみたいなことはぜんぜんなくて、“みんなの音がデカいなら、私もデカく歌う!”みたいな感じなので。周りの人たちが生き生きしていたら、私も燃えるんですよ。昔からそういうところはあるし、今回のアルバムの制作にもそれが出てるんじゃないかなって。自分から“こうしたい”って主張するタイプではなくて、提示されたものに対してアレンジを加えるほうが合ってるんです。

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