花澤香菜×北川勝利が明かす、“極上のポップソング”の作り方「人生と音楽がより密接になってきた」

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「レゲエ調の曲はフィッシュマンズの映像を観ながら臨んだ」(花澤)

ーーそういった変化を経て、今回のアルバムではよりアーティストとして、自己表現としての志向が生まれてきた花澤さんの歌声を活かしていこうという方向性になった。

北川:そうですね。そういうところからも、音楽的なことも含めて「ニューヨーク」というキーワードが出たんです。ただ、ニューヨークの風景は浮かぶけど、ニューヨークの音楽って一体何だろう、というのが案外難しかったんですよね。ソウルとかR&Bとか、そういう音楽のジャンルにそのまま結びつくわけじゃないし。

――アルバムでは、いわゆる大人の都会的なポップスというところでの統一感があるように感じます。

北川:そうですね。ニューヨークというキーワードがあるからといって、ファンクをやっているわけでもない。ジャズやフュージョンやAOR、そういう有名なセッション・ミュージシャンが演奏しているような音楽性のものにフォーカスされていく感じでした。摩天楼のイメージが浮かんでほしいし、マンハッタンの街並みが浮かぶ感じであってほしいと思って作っていきましたね。

ーー花澤さんとしては、今回のアルバムで新しい歌い方に挑戦した曲はありますか?

花澤:「プール」がそうですね。これはレゲエなんですけれど、こういう曲調の曲は歌ったことがなかったので。なかなか難しくて、何回も歌った気がします。歌う前にフィッシュマンズの映像を観ながら「こういう風に歌えばいいのかな」とか思って望んだんですけど、サラッと歌うとなかなか音楽に乗らないんですよね。

――この曲は花澤さんが歌詞を書いていますが、実際の曲制作はどんなやり取りでしたか?

北川:「出来ました」って香菜ちゃんから歌詞が送られてきて、そこから曲調をパッと思いついて作ったんです。

花澤:次の日ぐらいにはもう返答が返ってきたんですよね。

北川:今までだったら歌詞の内容がちょっと重くても曲調で中和するような感じがあったんですけれど、今回はそのまま乗っかってみよう、と。ニューヨークというテーマから、スティングの「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」のテイストを思い浮かべたりもして。歌うときの雰囲気を掴むために、僕が好きなフィッシュマンズのライヴ映像を観てもらったりもしましたね。

――アルバムには、70年代から80年代の良質な洋楽のポップスに通じる楽曲も多いですね。

花澤:このアルバムを作るなかで、いろんな音楽を教えてもらったんです。たとえばビリー・ジョエルとか、初めて触れる音楽だったんですけどハマっちゃって。今も好きで聴いてます。

ーー「タップダンスの音が聴こえてきたら」はビリー・ジョエルを彷彿とさせるテイストです。

北川:この曲は最後の方に作ったんです。次は曲に歌詞をつけてみようということで。他の曲はどっしりとしたボリュームの曲が多かったんで、短くてほぼ香菜ちゃんの声で成り立ってるドゥーワップみたいな曲にしよう、と。そこからいろいろ考えて作った感じです。

ーー花澤さんがそれを受けて歌詞を書いた。

花澤:はい。ただ、北川さんから曲が送られてきた時に「タップダンスの音が聴こえてくるよ」って仮のタイトルがあったんですね。そこから題名はつけました。

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