和田 唱が語る、ポール・マッカートニーへの“愛” 「いつも祈りながらライブを観ている」

――まだまだそういう作品を、たくさん残していってほしいですね。

和田:残してほしいですね。でも同時に、もっと素朴なのも作ってほしいなって。僕、ジャズのアルバムを作ればいいのにって、ずっと思ってたんですよ。ポールってロックの人なのに、ロックの人がとてもじゃないけれど作れそうにない、ミュージカルみたいな曲を昔から作るじゃないですか。それこそ「ハニー・パイ」とか、「ユア・マザー・シュッド・ノウ」とか、「幸せのアンサー」とか。ああいう曲を作れるのは、ポールのお父さんの影響で、ロックンロール以前の音楽にも影響されているんですね。だからそういうカバー・アルバムとか作ったらすごくいいなって思ってたら、作ったんですよね。数年前に。『キス・オン・ザ・ボトム』ってアルバムなんですけど。これすごく好きなんです。無理してロックするんじゃなくて、ちょっとずつああいう方向にシフトしていってもいいんじゃないかなって、僕は思ってます。

――それでは、いよいよライブが近づいてきましたが、今回期待していることはありますか。

和田:また緊張とパワーを送ることに、2時間半費やすんだろうなって思いますけど(笑)。僕がポールに望んでいるのは、「心のラブ・ソング」をやってほしいんですよ。何でやらないんだろう、ナンバーワン・ヒットなのに。あと、いまだに1回もやったことがなかったビートルズ・ナンバーが登場することが、ひとつの楽しみとしてありますね。と同時に、ビートルズはもうよくないか? って思っている自分もいます。たしかにポールはたくさんのお客さんに喜んでもらうのが好きだから。セットリストにも、それが現れているんですよ。みんなビートルズが聴きたいだろっていうところはあると思うんですけど。でももったいないですよ。自分がどれだけウイングスからソロの間に名曲を残してきたかっていうことを、思い出してほしいですね。「パイプス・オブ・ピース」とか、名曲いっぱいあるんですよ。なのに1回もやったことないんです。もったいないですよね。

――ポール・ファンとしてはまだまだ聴きたい曲がたくさんありますね。

和田:いつも最後、最後って言われますけど、僕自身はあまり最後とは思わないんですよ。本当に思っていないです。ポールはいつも言うんですよね。こんなにお金も持っていて、これだけの地位を築いて、何でいまだにライブを続けるの? って訊かれると、「好きだからやっているんだよ」って答えるんです。あれは本心だと思うんですね。みんなの前でプレイするのが好きなんだって。ポールがそう言っている限りは、きっと来てくれると僕は思っています。ジャズのトニー・ベネットも88歳でまだ元気ですからね。ポールの場合は楽器を弾いて長い時間のショーをやるので、今と同じことを80歳になってもできるかわからないですけど、更新してほしいですね。

(取材・文=吉羽さおり)

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『ぴあSpecial Issue ポール・マッカートニー来日記念号2015』

■リリース情報
『ぴあSpecial Issue ポール・マッカートニー来日記念号2015』
発売:2015年4月2日
価格:1,200円

■TRICERATOPS インフォメーション
『TOUR2015「TRICERATOPS‘R’GOOD ENOUGH」』
2015年5月24日(日)大阪なんばHatch
info:YUMEBANCHI 06-6341-3525
2015年6月4日(木)東京 Zepp Tokyo
2015年6月5日(金)東京 Zepp Tokyo
info:HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999
2015年6月7日(日)愛知 Zepp Nagoya
info:JAILHOUSE 052-936-6041
全席指定 4,950円(税込/ドリンク代別)
チケット発売中

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