大原櫻子が語る、シンガーとしてのスタンス「メッセージをしっかりと伝えられる人になりたい」

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「人が笑顔になってくれるのが一番好き」

──そこから、大原櫻子として昨年11月にシングル『サンキュー。』でソロデビューしましたが、デビューした頃の気持ちを聞かせてください。

大原:私、ソロで歌わせてもらえるんだっていうのが正直な実感でしたね。それまでは、歌わせてもらってるって感覚で、アーティストというよりは女優のお仕事もあったりで、若干中途半端な気持ちがあったんです。でも、やっぱり責任感も出てくるし、気持ち的に変わってきましたね。

──歌っていくぞという、自分の中で覚悟を決めた瞬間はありましたか。

大原:いや、逆に私は基本、あんまり力を入れないようにしてるんです。「よっしゃやるぞ!」とか思うと、自分を見失いそうで。とはいえ、お仕事させてもらえるのはうれしいことだし、私よりもっとがんばってる子がたくさんいるのも分かっているので、感謝の気持ちは忘れずに、でも力まず、楽しんでいこうと思ってます。

──同世代の人の気持ちを代表して、思いを伝えてるって感覚はありますか。

大原:まったくないです。もちろん同世代にも向けて歌ってますけど、むしろ世代とか関係なしに歌を届けていきたいんです。

──歌はだんだん楽しくなってきましたか?

大原:楽しいですね。それは小さい頃から変わらないですね。実は昨日、小学校1年生ぐらいのときにカラオケで歌ったもの聴いてたんですよ。全然へたっぴなんですけど、なんか、歌に対する姿勢って全然変わらないんだなと思って。

──それは一生懸命さとか?

大原:そうですね。好きだから一生懸命歌ってるし。そのときのことを思い返すと、私が歌ってるのを、お母さんがすごく喜んでくれてたんですよ。私は、人が笑顔になってくれるのが一番好きなので、それを求めて歌ってるんだなってすごく思いましたね。

──ちなみに何を歌ってたんですか?

大原:BoAさんの「every heart」です。私の肉声が記録されてる一番昔の音源なので、聴いてみたくなったんです。もちろん今は、本格的なレコーディングをさせてもらって、環境は全然違うんですけど、気持ちの面は全然変わってないのがよく分かりました。

──では、ファーストアルバム『HAPPY』が完成しましたが、どんな作品にしたいという思いがありましたか。

大原:まず、いろんな自分を見せていきたいという気持ちがありました。“大原櫻子=何々”ってイメージに縛られずに、いろんな自分を表現したくて。ロックっぽい曲があったりバラードがあったり、いろんな曲が詰められました。最初のアルバムで自分の全てを表現するのは難しいことだと思うんですけど、でもほとんど表現できたんじゃないかと思ってます。

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──歌の面でも、様々な表情を見せてくれますね。

大原:難しかったですけど、楽しかったです。ただポップな曲を高音で歌えるように練習するとかじゃなく、いろんなジャンルの曲を歌えたことがすごく楽しかったです。

──難しいことを越えていくときの喜びはありましたか。

大原:ありましたね。そういうときのほうが燃えますね(笑)。私は、何かを積み重ねて作っていくのが、すごく好きなので。壁がなきゃ積み重ねられないですし、壁があったほうが燃えますね(笑)。

──では、アルバムで一番燃えた曲は?

大原:「ワンダフル・ワールド」です。歌詞を理解するのが本当に難しかったんですよ。この曲は、それこそ10代の人に聴いてほしいです。同世代の人にすごく共感してもらえるんじゃないかって。世の中を斜めに見てても、明るく振る舞ってる子っていると思うんです。苦しいことや大変なことがあっても、でも「ワンダフル・ワールド」っていう明るい世界をみんな求めてる。落ち込んでる人はすごく明るくなると思いますね。実はあなただけじゃないんだよって気持ちが届いたらいいなって。

──歌詞の中に14歳から18歳の話が出てきますが、そこは大原さんの気持ちが反映されてたりしますか。

大原:私は全然言ってないんですけど、本当に共感します。中3の頃からっていろいろ悩みがあるじゃないですか。将来を決めなきゃいけなかったりする変化の時期なので。

──あと、“ほんの一瞬の素晴らしき世界で”というところでは、メンバー、スタッフ、お客さんと作り上げるライブを想像したんですよ。

大原:あぁ、そうとも思えますね。私は「ワンダフル・ワールド」って、みんなで一緒に作品を作るってことのように思えたんです。今のレコーディングしてる状況が「ワンダフル・ワールド」だし、もちろんライブもですし、ドラマだったらドラマの現場だったりするので。

──人とモノを作り上げていくことは好きですか。

大原:大好き。それがなかったら生きていけないです(笑)。

──どんなところが楽しいですか。

大原 やっぱりみんな、いいものを作りたくて作ってるわけじゃないですか。そこには何の駆け引きもないですよね。本当にいいものって、お客さんも素直に評価してくれるし。そのときしかない表現を作りたいという気持ちが強くありますね。

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