UQiYOが実践する、新しい音楽の届け方「ライブハウス以外でもやれる場所はたくさんある」

「異様なまでに盛っていくのは、日本の独特なカルチャー」(Phantao)

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――作品は前作も今作も、それぞれ作っていったなかで出来たという割には、かなり統一感があるように思えます。アルバム化するにあたっての曲絞りやテーマ設定はどのくらい思案したのでしょうか。

Yuqi:前回のアルバムは、すごく内に籠っていて、精神世界の情景を表現する作品でした。今回は割と外向きのいろいろな情景が描かれている気がしたので、さまざまなパターンで楽曲を並べてみたんですよね。例えば春夏秋冬に分けてみたりだとか。そうすると割とバランスよく季節が移り変わっていくことに気付いたので、自分でもまとまりがある楽曲たちが出来たなと気付きました。

――UQiYOの2人が作る音楽は、情景や情感のあり方が日本とはまた別のところにあるように思えました。具体的な風景は制作の際に浮かんでいましたか?

Yuqi:そう言って頂けるのは初めてです。僕はアメリカで育っているし、洋楽に影響を受けて作っているので、もちろんアメリカっぽくなっているところはあると思うんです。歌詞もほとんど英字ですし。ただ、どことなく日本風になってしまっているのかなって自分ではなんとなく思っていて。日本人から見た、聴いた印象と、外の人が聴いた時に「日本的」だと感じるものは違うんです。なのですごく不思議だけど、間にある音楽というふうになるのかもしれないですね。

――Yuqiさんから見てUQiYOが日本的だと思う部分はどの辺りでしょうか。

Yuqi:イギリスやアメリカなどのポップミュージックを牽引している国の音楽って「セクシーでなんぼ」じゃないてすか。ちょっと弱いところを計算で見せつつ、基本的には強いという。僕らの音楽ってそのセクシーさが弱いと思いますし、そういう意味で言うと、北欧などのキュートな音楽の方が近いのかもしれません。

――近年、日本のポップミュージックにおける宅録シーンは、どんどん音を詰め込んでいく・展開していく傾向にあると思います。他方で海外のシーンでは、一音の良さや一つの反復の中に美を見出していくものが多い。二人は曲の情報量についてどう考えていますか。

Yuqi:そこは、意識をなるべくしないように作っているかもしれません。現状は自分たちの未熟さもあって、なるべく詰め込まずに音が一個一個が気持ちよく鳴るようにしているものの、結局詰まっていたりするので。ただ、本当に洗練されていくとこんなにも音は必要ない気もしているので、今後に活かしていきたいですね。

――では、考え方の根本には「音はできるだけ引いた方が良い」という“引き算の美学”みたいなのはあるんですね。

Yuqi:あまのじゃくなもので、それが常識なのであれば、逆に足してもいいのかなって思ったり(笑)。

Phantao:異様なまでに盛っていくというのは、日本の独特なカルチャーの発展の仕方でもあるから、それはそれで面白いなとは思ってるんですけどね。

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