FILLMOREが語る、レーベル「WESTAHOLIC」の運営姿勢「苦い思いをしてきた人たちが第一線に立つ」

KOWICHI "BOY FRIEND #2 feat. pukkey & DJ TY-KOH"【MV】

――「Boyfriend #2 feat. Pukkey & DJ TY-KOH」(KOWICHI)、「LOLLIPOP feat. KOHH」(JOYSTICKK)、「ラブホなう feat. T.O.P. (THUGMINATI)」(KUTS DA COYOTE)のようなストリートをにぎわした曲と合わせて、ロングセラーの「Love Long, Love Strong feat. SiSY」(EXTRIDE)のような楽曲の聴きやすさも、WESTAHOLICの大きなカラーのひとつですよね。

FILLMORE:僕たちはUSウエストコーストの文化に刺激を受けたコミュニティの中で出会ったから、根本にはウエストコーストのサウンド、カルチャーがある。だけど、ウエストコーストのサウンドも90年代のクラシックなサウンドをずっと続けてるわけじゃなくて、そこから進化したニューウエストの音でやってるアーティストもいれば、また新たなジャンルを築いたアーティストもいます。このベスト盤の後半にはコアな人たちからしてみたら「ポップソングだよ」と思われる曲もありますけど、僕たちが影響を受けたウエストコーストのサウンドは、まさにそういう、メロディが強くてメジャー感の強い音にラップを乗せたものだったりするんです。そういった意味では、忠実にウエストコーストを表現できてるのかなと思うし、聴きやすいっていうのはヒップホップのクオリティが高くなったことだと思ってます。

――今回のベストも、いわばそれぞれがキャリアを積み上げた末にできた曲の集まりなわけで。

FILLMORE:自分たちは策略的にレーベルの繁栄みたいな作戦を持ってやってるわけじゃないんです。各々のやりやすい環境を作る努力をして、アーティストが考えてることを形にしてあげることに力添えしていくみたいな感じで、そこにアーティストが出せる全力をぶつけてきてくれてる。なので、(ここにも)それが集まっただけなのかなあって。ポッと出でいきなり『曲ができたんで配信お願いします』っていうアーティストじゃなく、それこそ自分たちで全部お金払っていろんな場所を回って、人のいないところでライブを重ねたりとか、ホント苦い思いをしてきた人たちがこの第一線に立っている。各々の経験とキャリアがモノを言ってると思うし、そういう人たちが集まれば(自然と)注目を浴びるものができるはずなんです。

JOYSTICKK "LOLLIPOP (DJ KM Remix)" feat. KOHH (Official Video)

――レーベルとしては今後どんな姿勢で臨みたいと考えてますか?

FILLMORE:こうして仲間が周りにいるから仲間を大事にしてるって思われるかもしれないけど、実はそうじゃなくて、みんな個人個人が音楽に対して厳しくやってきてくれたから一緒にいれただけなんです。だから音楽で一緒のフィールドには立てないけど、友達としてずっと付き合ってる人もいますし。そういった意味ではこれからレーベルとしての敷居の高さを見せることをやっていかなきゃいけないと思ってます。ただ、今のヒップホップシーンでは間を空けることが一番危ない。それが妥協になってもいけないけど、ムーブメントをちゃんと起こしていかないといけないし、スピードと精度も重要になってくる。レーベルとしてはまだまだ駆け出しなんで気を抜かず、上にいる有名なレーベルにも勝ちに行くレーベルにしていくんで、安心して手に取ってもらいたいです。

(取材・文=一ノ木裕之)

■リリース情報
『FILLMORE Presents WESTAHOLIC RECORDS ALL HIT SONGS』
価格:2,000円(+税)

〈WESTAHOLIC RECORDS Campaign 2015〉
FILLMORE率いるWESTAHOLIC RECORDSの初となるレーベル・ベスト『FILLMORE Presents WESTAHOLIC RECORDS ALL HIT SONGS』のリリースを記念して、本作をはじめとするWESTAHOLICリリース作品を対象とした、豪華特典付きキャンペーンを実施中。

詳細:http://p-vine.jp/news/20150204-143044

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる