ONE OK ROCK、新アルバムが16万枚突破 好セールスから見える若者の音楽需要の動向とは?

 「若者はもはやCDを買わない」はやっぱり間違いだ。「若者は洋楽を聴かない」は正しいのかもしれないが、「洋楽っぽいものを敬遠する」も間違いだろう。ワンオクとセカオワは、まったく違うかたちとはいえ、アメリカの主流サウンドと真正面からクロスすることで日本の音楽マーケットに新風を吹き込んでいるのだから。

 セカオワが1位だった4週前の原稿で「バンド=リアルを歌うという風潮が変わるかも」と書いた。(参考:SEKAI NO OWARI、新アルバムが初週24万枚突破! 驚異的セールスの背景は?)今週のワンオク1位で、そのことが裏付けられたような気分になる。等身大の冴えない日々をギターに乗せて歌っていても、そりゃCDは売れないだろう。だが若者たちは音楽を欲している。壮大なファンタジーでも骨太なアメリカン・ロックでもいいが、ぼんやりした日常を打破するような音楽を、それを与えてくれる自分たち世代のスターを欲しているのだ。

■石井恵梨子
1977年石川県生まれ。投稿をきっかけに、97年より音楽雑誌に執筆活動を開始。パンク/ラウドロックを好む傍ら、ヒットチャート観察も趣味。現在「音楽と人」「SPA!」などに寄稿。

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